8 おもな缶詰-原料・品質など

果実 缶詰、びん詰

みかん/白桃/黄桃/洋なし/甘夏/りんご/びわ/さくらんぼ/パインアップル/ぶどう/あんず/くり/混合果実/フルーツみつ豆

果実缶詰は、みかん、もも、パインアップル、なし、りんご、さくらんぼ、びわなどのほか、フルーツサラダ(フルーツポンチを含む)、ミックスドフルーツなどの混合果実製品があります。

みかん

わが国の代表的な果実缶詰で、和歌山や九州の各県で作られています。国内消費が中心ですが海外へも輸出しています。

みかんの内果皮は、食品添加物として許可されている酸とアルカリのごくうすい液につけて、自動的にとり除き、その後完全に水で洗います。

製品には形のそろったものと、身の一部がかけたいわゆるブロークンとがあり、糖度は14%位のライトシラップを主体に作られています。

みかん缶詰を開けたら、シラップが白く濁っている場合もあります。これはみかんの中にあるヘスペリジンが、缶の中で微細な白色無味の針状結晶を作るため白濁するもので、決して害のあるものではありません。そればかりか、ヘスペリジンはビタミンPとして、ビタミンCと協力して毛細血管の抵抗力を増強する作用をもっているなど、人体には有用なものであります。

粒の大きさは大粒(L)、中粒(M)、小粒(S)の3段階に区分されています。

白桃

代表的な果実の一つ、白桃缶詰は、岩手、山形、福島などで作られています。

白桃は、工場で2、3日追熟して、肉質が軟かくなり香りが出てきてから、熱湯か蒸気、またはうすいアルカリ液で皮をむきます。

製品は、糖度18%以上のヘビーシラップが多く、二つ割り、四つ割りがあります。原料は大久保や白鳳が代表的な品種です。

白桃は果実の表面や核肌の部分にアントシアンという赤い色素をもっているので、缶詰にしてからまれにブリキのスズと結合して紫色に変化することがありますが、食用にはなんらさしつかえありません。

もも缶詰の個数(2つ割り)
 

黄桃

黄桃缶詰は、日本の白桃とアメリカ系の黄桃を交配して育成した缶桃という缶詰専用の黄桃を原料に作られます。産地は山形、福島などです。

黄桃は、肉が硬くしまっており、鮮やかな色沢と独特の香味をもっているので、業務用などの需要もありますが、国内の市場ではアメリカや中国、南アフリカ、ギリシャからの輸入品がほとんどを占めています。

洋なし

世界的に広く作られていて、独特の香りとソフトな肉質が喜ばれています。岩手、山形県で作られ品種はバートレットが主として使われています。

洋なしは、工場で3~7日間ぐらい追熟して、香りが十分出て果肉が軟かくなったものを缶詰に加工します。

甘夏

熊本、福岡などで作られています。ほどよく糖酸のバランスがとれており、さっぱりとした味に仕上っております。また類似品に愛媛で作られている伊予柑があります。

りんご

りんご缶詰は、青森、山形、福島、長野の各県で作られています。焼きりんごや18リットル缶詰にした製菓原料用のソリッドパックなどがあります。

びわ

香川などで作られています。原料は田中、茂木などがあります。

さくらんぼ

みつ豆やフルーツサラダなどの配合用にはなくてはならない材料であって、山形および福島でおもに作られいます。原料はおもにナポレオンで、ほかに佐藤錦も使われています。着色料で着色して缶詰に加工されますが、このごろは無着色のものも作られています。

さくらんぼの製品には、このほか、砂糖漬にしたドレンドチェリー(袋詰など)やそれをマラスキノ酒のエッセンスを加えてシラップに漬けたマラスキノスタイルチェリー(びん詰)などがあります。

パインアップル

わが国では沖縄で缶詰が作られています。パインアップル缶詰の原料はスムースカイエンが広く使われています。製品の中身の形はスライス、ハーフ、クォーター、チビット、ピーセス、キューブ、クラッシュなどの種類があります。

なお、適熟の原料を用いたものは、香り、色、肉質もいいものです。

パインアップルの形状(図)
 

ぶどう

マスカットオブアレキサンドリアを原料とした高級品と、ネオマスカットなどで作った普通品があります。ぶどうは、果皮をむき、種を抜いて作ります。

あんず

あんずは、長野県の特産品で、独特の酸味、香味が喜ばれています。製品によって丸あんず、割りあんずがあります。

くり

市販向けはびん詰が主で、9リットル缶や18リットル缶は業務用として作られています。おもに甘露煮にされていますが、水煮のものもあります。原料は、最近では中国や韓国などからの輸入原料が多く使用されています。

混合果実

果実を2種または3種混合したものをミックスドフルーツ、4種以上の果実を丸のまま、二つ割り、四つ割りまたはスライスして混合したものをフルーツサラダまたはフルーツポンチ、ダイスした果実(さいの目)を混合したものをフルーツカクテルといって、山形、福島、静岡などの各県で作られています。なお、フルーツカクテルの原料には、黄桃、洋なし、パインアップル、さくらんぼまたは、ぶどうを必ず用いることになっています。ミックスドフルーツの場合はみかんにパインアップル、もものいずれかを配合したものが多く作られています。

アメリカではフルーツサラダは高級品で生産も少なく、フルーツカクテルが多く作られています。

なお、フルーツポンチの本来の意味は、いろいろの果汁を混合したものに、スライスした果物を添えて、洋酒を加えたものをいうわけですが、わが国では、フルーツサラダにエッセンスを加えて香りをつけたものをフルーツポンチと呼んでいます。

中国料理のデザートによく出る杏仁豆腐の缶詰も作られています。

果実缶詰の甘さ基準が一括表示の品名欄に記載してあります。糖度10%以上14%未満はエキストラライト、14%以上18%未満はライト、18%以上22%未満はヘビー、22%以上はエキストラヘビーです。

フルーツみつ豆

山形、福島などの各県でおもに作られています。原料は、みかん、白桃、黄桃、洋なし、りんご、さくらんぼ、パインアップルのうち3種以上に、寒天および赤えんどうを配合して作られ、配合割合は果実25%以上赤えんどう5%以上と決められています。

みつ豆は、缶に詰める前に、あらかじめ寒天と赤えんどうを高熱で殺菌しておき、次いで果実と一緒に缶に詰めてから、80℃ぐらいで殺菌して作られます。