(缶詰時報 2001年 7月号掲載)


7月、食中毒の季節ですね。

私も堺市のO157事故以来、除菌には気を使っています。たとえば、薬用せっけんで、よく手洗いをするようになりました。 洗剤を除菌タイプに替え、食器、まな板、包丁は食器洗い機で毎日洗浄消毒をするなど、家庭の中でできる限りの事をしています。

ところで、毎日新聞に、

「<台所汚染>トイレより、ばい菌の巣だった」
食中毒を起こす大腸菌などの細菌が、家庭でトイレよりも台所に高い割合で潜んでいることが、花王生活文化研究所や宇都宮大などの共同研究で分かった。除菌の意識が高いまな板や食器用フキンからも大腸菌群が見つかり、汚れは意外に進んでいるようだ。(5月30日)

という記事が載っていました。(この研究は大阪府で開かれた日本防菌防黴学会で5月24日に発表された。)

そういえば、10年以上前、当時の微生物学研究室長が、「家で台ぶきんと雑巾をよく間違えて、食卓を雑巾で拭くと家族からイヤがられる。」

「でも、台ぶきんは、食べ物の汚れで菌が繁殖して微生物的にはたいへん汚染されているものだ。床を拭いた雑巾の方がずっとキレイだよ。」と嘆いておられました。 

それを聞いて、微生物を研究されている方は、見た目の汚れではなく、菌の単位で物を見ることが出来るのかと感心しながら、「でも食卓を雑巾で拭かれるのはイヤだな。」と思っていました。


新聞記事を読んで、今更ながら、ご指摘どおりの研究結果に敬服いたしました。これからは、よりいっそう食品衛生に気をつけることを誓います!
        
          

(第3研究室研究員 細井順子)


<2001年5月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 密封容器詰食品の誘導電流等による加熱殺菌技術の開発 
  2. みかん缶詰の恒温放置中における菌数変化 
  3. 高度精白米におけるボツリヌス菌の発育挙動に関する研究 
  4. 果実缶詰等クレーム対応と品質向上に関する研究 
  5. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付19件、前月より繰り越し13件、合計32件、うち完了16件、来月へ繰り越し16件。

主要項目;缶詰食品の貯蔵試験、原因究明(白濁)、異物検定、成分分析(油脂特数)、水分活性、変敗原因究明、細菌接種試験、菌株同定、カビ同定、菌株分与、証明書作成、容器圧縮強度試験、容器性能試験、研修、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、事務業務)
  2. 主任技術者講習会(殺菌:講師担当) 
  3. 講演会聴講(日本食品衛生学会、安全な食品を提供するために)
  4. 展示会調査(国際食品工業展)
  5. 会員サービス(来訪対応、電話、電子メール回答など)

登録:2001/7/17
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