(缶詰時報 2002年 5月号掲載)

し前になりますが,「マクドナルドが,鶏肉のウィルス汚染で自主的にチキンナゲットの販売を一時中止」との狂牛病問題の再来かとドキリとさせられるニュースがありました。すぐに話題に取り上げられることもなくなり,鶏肉を使った食品は食べない,などということに発展することもなく収まりました。製造現場では,輸入原材料や対米輸出用スペック等で頭を悩ませた方もいらしたのではないかと思いますが,大問題にならずに良かったと思っています。


存知のように,私ども第2研究室は微生物担当ですが,ウィルスは専門外で何もできません。今回も対岸の火事がボヤ程度で本当によかったような心境でホットしていました。ところが,別のウィルス,招かざる"コンピュータウィルス"が2研のパソコンにきてしまいました。こちらのウィルスには被害にあった方も少なくないかと思いますが,私ははじめての体験でした。白紙のメールに添付ファイルが付いていて,ファイルは開けなかったものの,もしや"コンピュータウィルス?"と思ったときは既に遅く,すっかり感染していました。

 

これがウィルスのメールかとのんきに感心する気持ちもありましたが,事態は,メールが送れない,アンチウィルスソフトが正常に作動しない,再インストールできない状態になっていました。アンチウィルスソフトが作動しないので,何のウィルスに感染したのか不明です。私には重症のように思えました。コンピュータウィルスなんてさらに専門外なので,情報管理研究室長兼任の増田所長に,対処をすべてお任せし,ウィルスの駆除をしていただきました。感染したウィルスはアンチウィルスソフトを破壊するタイプだったとのことで,そんなウィルスもいるのかと呆気にとられました(ちなみにKlez.Eというものだそうです)。

在では,パソコンはすっかり復旧しましたが,この間,すべてのフォルダに見知らぬファイルが作成されていて,ゾッとしたり,旺盛な増殖力?に驚いたり,目に見えないもの相手の不気味さを味わった数日間でした。自分では何も対処しなかったのに,ウィルスにはウンザリといった心境です。日頃相手にしている細菌は,顕微鏡で実体を見ることができますし,カビのように空気中を舞ってしまったりすることもないですから,ずっと扱い易いはずだと痛感しました。

(第2研究室主任 大久保良子)


<2002年3月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 介護食のレオロジーに関する研究 
  2. 熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用 
  3. 小型熱交換器による飲料の超高温殺菌に関する研究 
  4. みかん缶詰の恒温放置中における菌数変化 
  5. 果実缶詰の品質に及ぼす糖類などの影響について 
  6. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付21件、前月より繰り越し15件、合計36件、うち完了23件、来月へ繰り越し13件。

主要項目;缶詰、レトルト食品の貯蔵試験、原因究明(容器腐食、変色、異臭)、異物検定、成分分析(栄養、重金属)、細菌接種試験、カビ同定、菌数測定、抗菌性試験、菌株分与、証明書作成、容器性能試験、殺菌、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催、事務業務)
  2. 会員工場訪問調査(大分、宮崎)
  3. 講演会講師担当(北海道)聴講(食品産業センター開発事業成果報告会) 
  4. 会議出席(食品産業センター、消費者学習支援システム事業)
  5. 会員サービス(企業訪問、電話、電子メール回答など)

登録:2002/5/15
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