(缶詰時報 2005年3月号掲載)

近、容器をめぐる潮流が激しくなっています。新容器の採用は世界的な流れでした。日本にも一気に押し寄せてきた感じです。この2月に日本テトラパック(株)は、世界で初めてレトルト殺菌を可能にした紙容器であるテトラリカルトを日本でも販売すると発表しました。この容器は調理済み食品や野菜などの固形食品にも使用でき、欧州を中心に商品化が進んでいました。加熱殺菌などの技術的なサポートを行う日阪製作所(株)で行われた発表会に私も行きましたが、会員の方々の参加も多く、深い関心があることがわかりました。スウェーデンからテトラパック社の重鎮が来日していたなど同社の意欲を感じました。この容器は基本的には無菌充填用と同じ構造ですが、ポリエチレンでなくポロプロピレンを採用することなどで耐熱性を向上させています。

た、2月4日にはピールシーム缶蓋というアルミ箔入りフィルムをヒートシールした蓋を使用した缶をはごろもフーズ(株)が採用するという新聞発表がありました。この容器はフランスのインプレスメタルパッケージング社製で、ヒートシール部をはがせば簡単に開封できる革新的なイージーオープン蓋と言えます。消費者の利便性が向上しますし、新しい缶としてアピールすると考えられます。なお、蓋自体は缶胴と通常の金属缶と同じように二重巻締されており、既存の充填機や巻締機も使用できます。

上二つの容器は外国生まれですが、日本生まれの革新的な容器も実用化が進んでいます。電子レンジ対応自動蒸気抜き機構付きパウチ、ボトル缶、酸素吸収機能付き容器……多くの容器をすぐに列挙できます。そして、1月には飲料用容器にも大ニュースがありました。渋谷工業(株)製のペットボトル無菌充填装置で製造された米国モッツ社のミルク入りコーヒーが米国FDAの認可を取得したというニュースです。FDAの安全性に関する審査は厳格であり、世界の錚々たるペットボトル用無菌充填装置のメーカーも取得していませんでした。今後の動向が注目されます。

のように新容器が実用化されると、消費者の利便性の向上、食品メーカーにとってはこれまで製造できなかった製品が可能になるなどのメリットがあると思います。しかし、ふと自分の仕事を振り返ると、このような容器の密封性評価はどうすればいいのだろう?熱伝達を測定するときに温度センサは容器にどのように設置しようか?勉強しなければならないことがたくさんあります。     

 (食品工学研究室 室長 戸塚英夫)


<2005年1月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価

  2. 耐熱性好酸性菌の芽胞形成用培地の検討と耐熱性測定

  3. 食品の回転殺菌における熱伝達

  4. オンライン情報検索 

  5. インターネットによる情報管理

  6. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付30件、前月より繰り越し25件、合計55件。うち完了32件、来月へ繰り越し23件。

主要項目:貯蔵試験、原因究明(変色、異臭、膨張)、揮発性成分分析、品質評価、脂肪酸組成分析、ヒスタミン分析、微生物接種試験、菌株同定、耐熱性試験、変敗原因究明、細菌試験、無菌試験、容器性能試験、英文証明書作成、対米輸出工場登録、文献複写、通関統計データ処理

その他

  1. 缶詰業界賀詞交換会

  2. 缶詰品評会仕分け作業

  3. 新GMPマニュアル編集会議

  4. HACCP講習会講師担当

  5. レトルト性能検査

  6. 食品包装プロセス研究会関連業務

  7. FDA管理サービス関連業務

  8. 無菌充填技術ワークショップ関連業務

  9. 会員サービス他(文献調査、見学、電話、電子メール回答)


登録:2005/3/10
Copyright (c) 2005, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association