(缶詰時報 2006年6月号掲載)

近、世間では「脳を鍛えるトレーニング」、「右脳トレーニング」、「IQ診断」などがブームとなって、それに関する書籍やゲームソフトなど様々なグッズが販売されています。流行にのせられ易いタイプの私もゲームソフトを購入しました。内容は計算や漢字に関するもので、スピードや記憶力をトレーニングしていくというものです。ちなみに初回時の私の「脳年齢」は実年齢プラス3歳とまずまずの結果でした。ゲームとは思いつつも結果が数字となって現れると試験のようで次はもっと頑張ろうとつい熱くなってしまいます。

段私たちは食事によって多くの栄養素を摂取していますが、その中で脳の働きに関与している栄養素にはどのようなものがあるでしょうか。脳を動かすエネルギーとなる成分はブドウ糖です。人の一日必要量は150gで、その内80%に当たる120gが脳で消費されるそうです。主に砂糖やデンプンなどが体内で分解され、ブドウ糖となって脳へ供給されますが、供給量が落ちると集中力や注意力が低下してしまいます。その他には脳を活性化させる成分としてDHA(ドコサヘキサエン酸)が注目されています。DHAは脳の中で記憶学習の機能をつかさどっている海馬と呼ばれる部分に多く含まれています。

脳は体の中でも非常に重要な場所ですから、脳の中に進入することの出来る成分は限られており、DHAはその限られた成分の一つとのことです。そして、DHAの摂取が学習能力の向上に関与するという多くの研究報告も見受けられます。DHAの給源として魚類が挙げられ、特にマグロの目の周りに多く含まれていることが知られています。

を鍛えるには考えたり、記憶したりしてトレーニングすることも大切ですが、栄養的な面からも活性化を図ることで、より効果的になると思います。例えば、DHAを多く含む魚を取り入れたバランスの良い食事をする。空腹で集中力が低下した時にはキャンディーやチョコレートなどで脳へブドウ糖を補給する。このようなことを心がけながらトレーニングを行えば「脳年齢」を若く保てるのではないかと考えています。

員の皆様に脳を鍛えて頂くため、分析実習を中心とした「クレームと原因究明に関するワークショップ(基礎編)」の開催を9月に予定しています。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
 

(食品化学研究室研究員 山崎良行)


<2006年4月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 容器包装詰低酸性食品のボツリヌス菌に対する制御

  2. 食品の回転殺菌における熱伝達

  3. オンライン情報検索

  4. インターネットによる情報管理

  5. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付45件、前月より繰り越し23件、合計68件。うち完了47件、来月へ繰り越し21件。

主要項目:貯蔵試験、分析(栄養成分、ヘッドスペースガス、揮発性成分)、音響不良・膨張原因究明、浮遊物同定、定量(水分、金属)、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、耐熱性測定、容器性能試験、缶密封性状試験、殺菌条件申告、英文証明書作成、文献複写、通関統計データ処理

その他

  1. 講習会開催(基礎技術、巻締)

  2. 研究会(チルド・食品包装プロセス、情報誌原稿作成・情報誌発送)

  3. FDA管理サービス関連業務

  4. 会員サービス他(技術指導、文献調査、見学、電話、電子メール回答)


登録:2006/6/9
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