(缶詰時報 2007年2月号掲載)

年は北海道日本ハムファイターズが日本シリーズを制しました。新庄選手らのワイルドな打線は、他を圧倒するものがありましたが、やはりここは金村投手の見事な復活ぶりを賞賛すべきでしょう。 また高校野球では、駒大苫小牧が準優勝するなど、「北の大地」が野球の強豪地域として頭角を現しつつあります。これらが厳しい経済状況の続く北海道地域にとって光明となることを期待します。北海道は日本の缶詰産業発祥の地でもあり、現在も全国的に比べ缶詰産業が数多く操業していることから北海道経済の発展を願わずにはいられません。さらには金村選手の活躍も盛大に応援したいものです。

のほか、 北海道では次世代のさきかげとなる様々なプロジェクトが展開されており、 明治時代以来の開拓精神の気風を感じます。 最近の報道によりますと、CAMUIロケットとよばれる小型民間ロケットが開発中とのことで、個人的に大変興味を持ちました。 実現すれば、国レベルで製造されるロケットの1/10以下のコストで済み、 民間主導で随時人工衛星などの打ち上げが可能になるということですが、是非とも完成させていただき、併せて昨今の小中高生の理数系離れにも歯止めがかかることを願ってやみません。

て缶詰食品に目を転じますと、こと加熱殺菌においては、マイクロ波加熱やジュール加熱などの内部加熱法が次世代の加熱殺菌方法として注目されてきました。電波あるいは電流といった電気的なエネルギーを食品が持つ誘電性や導電性の作用によって吸収し、食品自体が発熱するため、昇温特性が非常によいという特徴があります。理論上は電気的な諸物性が同じであれば、低粘度の飲料食品、固形物、高粘度食品などもほぼ均一かつ迅速に加熱でき、殺菌時間の短縮ならびにより高品質な食品の実現が可能となります。 実際にテストしてみますと、 高粘度の食品でも昇温性は非常に迅速で優れているのですが、他方で殺菌温度を安定的に維持するのにかなりの技術が必要になります。加熱殺菌への適用を目指す場合、1℃の変動があっては困ります。UHT殺菌を目標にすればさらに正確な温度制御が要求されます。しかしながら、 このような困難さもいずれは解決されるでしょう。今年の食品機械業界からどんな新技術が現れるか楽しみです。

       

 (食品工学研究室 五味雄一郎)


<2006年12月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 有芽胞乳酸菌の芽胞形成用培地の検討

  2. 食品の通電加熱

  3. オンライン情報検索 

  4. インターネットによる情報管理

  5. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付29件、前月より繰り越し26件、合計55件。うち完了34件、来月へ繰り越し21件。

主要項目:貯蔵試験、栄養成分分析、異物検定、原因究明(変色、腐食、膨張、色調相違)、ヘッドスペースガス分析、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、耐熱性試験、菌株分与、容器性能試験、容器密封性状、堅さ測定、FDA殺菌条件申告、英文証明書作成、ホームページ管理、通関統計データ処理

その他

  1. 殺菌講習会開催講師担当

  2. 無菌充填技術ワークショップ開催

  3. 研究会(チルド食品・食品包装プロセス)関連業務

  4. 産業廃棄物処理関係業務

  5. FDA管理サービス関連業務

  6. 会員サービス他(技術指導、文献調査、見学、電話、電子メール回答)


登録:2007/2/9
Copyright (c) 2007, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association