(缶詰時報 2010年4月号掲載)


2009年、日本は自民党から民主党に政権交代した年でした。米国も共和党から民主党へ交代しました。米国の政権交代はわが業界にも影響を与えたのです!?15年ぶりに米国FDAが日本の登録工場を査察すると通知してきました。ご存じの通り、米国は1973年以降、密封容器詰低酸性食品と酸性化食品の取締規則を制定しています。該当する製品が主に缶詰やレトルト食品であった事から、本会研究所では規則に沿って、工場を登録し、製品の殺菌条件申告を行ってきました。また、FDAが認可した教育機関が実施するトレーニングスクールで所定のカリキュラムを履修し、合格した有資格者を現場の監督者にする義務がある事から、殺菌管理主任技術者講習会を定期的に行っています。

FDA登録業務に関しては、パソコンが普及してスムーズに提出書類の作成ができるようになった1994年、突然研究所に、米国FDAから日本の工場を査察するとのFAXが届きました。民主党クリントン政権に代わった翌年です。

FDAが中国や東南アジア諸国の現地調査を行っている事は知っていましたが、日本に来るとは思いもよらなかったので、当時は大騒ぎでした。日本各地で行われた査察は延べ9ヵ月に渡り、11名の査察官が来日し、1工場を1人2〜3日、全部で33工場を詳細に調査しました。調査後は指摘された箇所の改善を行い、改善書をFDAに提出しました。

回、民主党オバマ政権になったのを機に、FDA査察官がやって来ます。3月現在、査察候補先として30工場のリストが送付されてきました。FDA登録を開始した1974年当時に比べて、対米輸出量は激減していますが、安全安心な日本製品は米国でも人気です。査察を受ける事になった場合、要請があれば本会研究所も協力いたします。

んばりましょう・・・・・・・。

(食品工学研究室 細井順子)


<2010年2月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. トランス脂肪酸の生成に及ぼすレトルト殺菌の影響

  2. 果実・野菜類の成分に関する調査

  3. レトルト温度分布が殺菌値に及ぼす影響

  4. インターネットによる情報管理

  5. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付33件、前月より繰り越し16件、合計49件。うち完了28件、来月へ繰り越し21件。

主要項目:試験(貯蔵、微生物接種、微生物耐熱性、無菌、細菌、缶蓋強度)、ヒスタミン定量、油脂特数測定等、異物検定、測定(赤外吸収スペクトル、熱伝達、温度分布)、揮発性成分分析、原因究明(腐食、異臭、噴出、変色、変敗)、内容物調査、菌株同定、菌株分与、英文証明書作成、加熱殺菌、試製、FDA工場名変更、ホームページ管理、通関統計データ処理

その他

  1. 第118回品質管理主任技術者講習会講師担当

  2. 水産利用懇話会平成21年度第3回会議出席および講演聴講

  3. 第161回巻締主任技術者講習会関連業務

  4. 第84回殺菌管理主任技術者講習会関連業務

  5. 関東地域会員企業巡回

  6. 研究会(食品包装プロセス・チルド食品会議開催準備、チルド食品情報誌作成)

  7. FDA管理サービス関連業務

  8. 会員サービス他(技術相談、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)


Update 2010/4/13

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