缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A (安全性)

2014年4月1日 改訂版

Q33. 缶詰は変敗するとどうなるのですか?

缶詰の微生物による変敗には、(1)熱に強い細菌が缶の中で生き残り、中身を腐敗させてガスを出すもの、(2)熱にあまり強くない細菌、酵母などによって、中身を腐敗・発酵させてガスを出すもの、(3)熱に強い細菌が、中身を腐敗させて酸を出すものがあります。大きな特徴は(1)と(2)の場合はガスによって缶が膨らむ(膨張)ことで、(3)は膨らみませんが、いずれも開けると不快な臭いや味がすることがあります。

膨張の程度は、軽く膨らんだ一方のふたを押すと凹んでもう片面が膨らむ様なものから、強く膨れて押しても凹まないものがあります。缶が膨らむ原因には、(1)と(2)の微生物的な原因以外にも化学的な原因による場合もあります。これらのすべてが危険とはいえませんが、万一の場合を考えて膨らんだ缶詰は利用しないようにしてください。

しかし、缶詰は微生物の殺菌について科学的基礎に基づき細心の注意を払って製造していますので、このような製品が市販されることはまずありません。安心してご利用下さい。

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Q34. 果物缶にはスズが使われていると聞いたが安全ですか?

果実缶詰や一部の野菜缶詰は、国際的に缶内面を塗装していないブリキ缶(スチールにスズメッキをしたもの)が使われています。その理由は、缶詰を貯蔵している間に、果実や野菜に含まれている空気により微量のスズが溶け出ることによって、内容物の色や香りなどの品質が変化するのを防ぐことができるためです。

溶け出た微量のスズは、人体に蓄積しないで、排泄されてしまうことがわかっています。このようにスズは食品衛生上安全であることから、世界中で伝統的にこれらの缶詰には内面に塗装を施していないブリキ缶が使われてきているわけです。

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Q35. さびた缶詰や凹んだ缶詰は大丈夫ですか?

缶詰は、湿気の多いところや温度変化の激しいところに長く置くと、ふたの表面がさびてくることがありますが、少々のさびは、中身には全く関係なく問題はありません。 また、缶詰は通常、真空状態に保たれているので、落としたり、ぶつけたりすると、缶の胴の部分が凹みやすくなっています。

凹み缶は、中身にはほとんど影響がありませんが、ふた付き(巻締)の部分が強く曲ったり凹んだりしたものは密封が破壊されている場合があるので注意して下さい。

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Q36. 缶の内面塗装には何が使われていますか?

缶の内面塗装は、貯蔵中の色や味の変化及び缶の腐食を防ぐために、それぞれの内容物に適合したものが使われています。これらには内容物に応じて様々な塗料が使用されていますが、最近ではポリエステルフィルムをラミネートしたものも使われるようになっています。

これらの塗料やフィルムは、食品衛生法に基づく器具及び容器包装の規格・基準により定められた材質試験ならびに溶出試験による規格値に十分適合したものを使用しています。

また、このように内面塗装をほどこした缶詰は、缶内の食品と容器の金属が直接接触したり、金属が食品中に溶け出したりすることはありません。

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Q37. 開缶後はなぜ他の容器に移した方が良いのですか?

ふたを開けてしまうと、外から微生物などが入るために、中身の種類によって腐りやすくなります。従って、できるだけ早目に食べることが望ましいわけです。最近は、ニーズに応じ容量の少ない小型缶が多く出回っていますので、なるべく全部使いきれる缶を選びたいものです。

しかし使い残した場合、果実のような内面を塗装していないブリキ缶に詰めたものは、開けてから缶のまま置くと、空気に触れてスズが溶けやすくなるので、必ずガラスや陶器、又はプラスチック等の容器に入れ替えて冷蔵庫に入れます。

魚類や野菜なども同様にできるだけ別の容器に移した方がよいわけですが、塗装した缶の場合は、そのまま冷蔵庫へ入れておいてもさしつかえありません。しかし、冷蔵庫に入れても、保存は2~3日程度であり、もし、もう少し長く保存しようとするときは、軽く火を通しておく必要があります。

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Q38. 缶切りのくずは大丈夫ですか?

缶切りは、その形式・構造により、切りくずの缶内への落下量、切りやすさ、切り口の形状などにかなり差異がみられます。昭和49年に行った、市販の缶切りについての調査によれば、1缶当りの切りくずの発生量は0.01~0.9mg平均0.2mgであり、その約40%は、0.1mg(化学天秤による秤量限界)以下であることがわかりました。

切りくずを動物に与えた場合、なんらかの障害を発生するかどうかについては、わが国では白ねずみに20mg(約100缶分)の切りくずを2日間与えた試験、米国では犬に毎日50及び500mgの切りくずを2ヶ月間連続して与えた試験がそれぞれ行われました。いずれも消化器官になんら障害を与えなかったこと、従って発育に異常を認めなかったことが明らかにされています。

昭和50年から缶切りについて、消費生活用製品安全法にもとづくSGマークの表示制度が適用され、材質、性能、切りくずの発生量などの基準に合格したものにマークが表示されるようになりました。

缶切りを使用する上で必要な事項は、(1)材質が良く、切りくずが少く、切りやすいものを選ぶ、(2)使用の都度洗って、きれいに拭いて置く、(3)さびたり、刃の欠けたものは使わない、(4)小型缶には刃の小さいものを選ぶ、などです。

なお市販の缶切りの中で、切りくずが少なく、切りやすい点からみて、蝶型のテコ押切り型と円盤刃ロール型が一般的に性能が良く、また、切りくずが缶の中へ全く落ちないものに、特殊ロール型があります。

Q39. さくらんぼやグリンピースにはどんな色素が使われていますか?

さくらんぼ缶詰の着色には赤色104号(フロキシン)が使われていましたが、最近、天然色素も使われるようになりました。

グリンピース缶詰には黄色4号(タートラジン)と青色1号(プリリアント・ブルーFCF)の混合色素が使われています。

赤色104号、黄色4号及び青色1号は、国際食品規格委員会で安全性が認められており、諸外国でも広く使われています。

Q40. コンビーフの発色剤には何が使われていますか?

コンビーフ缶詰など食肉製品には、加熱しても肉の赤色を保つよう亜硝酸ナトリウムや硝酸ナトリウムなどを発色剤として使用しています。食品中で残存する量は食品衛生法で亜硝酸根(亜硝酸塩)として70ppm以下になるよう規定されていますが、現在市場に出ている製品に関してはその1/14から1/5と微量です。亜硝酸塩が胃の中でアミン類と反応してニトロソアミンを生成し、これが発ガン性があるという議論がありますが、前述のような微量の亜硝酸塩で実際にそのようなリスクがあることは確認されていません。また最近、米国で行われた長期動物実験の結果では、亜硝酸塩には発ガン性や遺伝的毒性は無かったと報告されています。

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Q41. 魚類に含まれる微量水銀について教えてください

魚類のうち、大型回遊魚には水銀、とくにメチル水銀が含まれていることが問題になっています。しかしこれは産業排水などの海の汚染によるものではなく、火山など自然活動で海水中にある微量の水銀が、食物連鎖(小さな魚を大きな魚が食べ、またより大きな魚がそれを食べる)によって魚の体内に入って蓄積されたものです。したがって大きな魚は小さな魚よりも水銀量が多くなります。

世界的にも長寿国である日本では、昔から魚を多く食べてきました。いろいろな魚をバランス良く食べることは安全であるばかりか、栄養的にも好ましいとされています。

最近、水銀を多く含む魚をたくさん食べると、胎児では神経の発達に悪影響を及ぼす可能性が心配されています。どれだけお母さんが魚を食べるとお腹の赤ちゃんに影響がでるのか、世界的な調査でもはっきりとした結論は出ていません。しかし、生まれる赤ちゃんの健康を最優先に考え、妊娠中のお母さんについては特別注意を呼びかけるという動きが世界各国で見られます。アメリカ、イギリス、ヨーロッパ各国の政府機関、そして日本でも厚生労働省がその呼びかけを行っています。

日本の場合、妊娠中のお母さんに対して具体的に魚種名が示されているのは、バンドウイルカ、コビレゴンドウ、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツなどについてで、1週間に何回以下にするのが望ましいという摂取量の目安を示しています。これ以外の魚やツナ缶詰はふつうの食事でとる限り問題にならないとされています。※

魚介類やその缶詰製品は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど良質な栄養素を持つばかりでなく、高度不飽和脂肪酸(EPA、DHA)など機能性成分を多く含んでおり、健康的な食生活にとって欠くことのできないものです。

さらに日本の缶詰製造各社は、製品中の微量水銀量を自主的に検査して安全性を確認しています。これまでどおり安心してお召し上がり下さい。

厚生労働省ウェブサイト、「魚介類に含まれる水銀について」をご参照ください。

Q42. レトルト食品のフィルムは安全ですか?

食品に直接触れる内側のフィルムは、現在、食品包装用に広く使われている、ポリエチレン又はポリプロピレンですが、国際的にも安全性が高いとされています。

フィルムについては、食品衛生法に基づく器具及び容器包装の規格基準で定められた衛生試験法による材質試験ならびに溶出試験に十分適合したものが使用されています。

Q43. レトルト食品の袋は輸送中に破れたりしませんか?

食品衛生法に基づく器具及び容器包装の規格基準によって、袋の密封部分のシール強度、耐圧縮強度、落下強度が規定されており、通常の輸送・保管には十分耐え得るような性能をもっています。例えば、耐圧縮強度についてみると、袋に静圧荷重を加えた場合、通常200~250kgの圧力に耐えることができます。ただし、規格基準では、小売用で重さが100~400gの製品には、実用上十分と考えられる40kgの値がきめられています。

Q 44. 病原性大腸菌O157が心配ですが大丈夫ですか?

病原性大腸菌O157による食中毒事故多発により、再び食品の安全性確保が注目されています。

一般に、病原性大腸菌は70℃でわずか1分の加熱でも死滅することがわかっています。これに対し缶詰、びん詰、レトルト食品は100℃以上(果実シラップ漬缶詰でも80℃以上)で少なくとも10分以上の加熱殺菌が施されていますので、病原性大腸菌O157が生き残る可能性はありません。したがって、科学的見地から見ても缶詰、びん詰、レトルト食品は病原性大腸菌とは無縁で、極めて安全な食品であるといえます。

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Q45. 環境ホルモンが心配ですが大丈夫ですか?

缶の内面塗装より環境ホルモンとしての疑いがある物質、ビスフェノールA(BPA)が検出されることが指摘されています。しかし、利用者の不安を解消するため、製缶会社においても新しい内面被覆技術(PETラミネート)の採用などBPAの低減に積極的な取り組みを行っていますので今後も安心して缶詰食品をご利用ください。

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Q46. 原料農産物の残留農薬が心配ですが大丈夫ですか?

缶詰、びん詰、レトルト食品の原材料に使用される生鮮農産物の残留農薬については、食品衛生法で最大残留基準値が定められており、基準値を超える農薬が含まれている農産物は使用が禁止されています。また、缶詰、びん詰、レトルト食品を製造する際には、原料は必要に応じて清水で洗浄したり、皮をむいたりしているため、残留農薬の心配はありません。

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