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(缶詰時報 2000年10月号掲載) |
この号がでる頃はたぶん涼しくなっていることでしょうが、今年の8月は、暑い日が続きました。通常、暑い夏ですと売り上げ増加ということで、缶詰業界でも景気のいい話が聞かれるのですが、今年は違いました。加工食品への異物混入騒動です。
もう異物混入も減り、沈静化していると思いますので、あまり繰り返して書きませんが、この夏は毎日のように、異常混入についての報道がありました。牛乳の食中毒事故で、消費者の目がシビアになったとも聞かれます。厳しい人の中には、利益追求だけで安全性軽視の企業体質と批判する方もいます。
この騒動だけのせいではありませんが、依頼試験も爆発的に増えております。しかも、消費者や販売店への説明に必要なので至急で報告書を出してほしいというものばかりです。普段なら見逃すような小さな失敗まで原因究明を依頼されます。少しの欠陥も許さない完璧な食品製造への一歩かもしれません。しかし、重大な事故の原因になりかねない基準などの管理に一層注意を払わなければならないことはいうまでもありません。
昆虫の侵入を防ぐために、工場の窓を締め切ったところもあると思います。加熱が必要な食品工場ではものすごい暑さになったと思います。最近では、工場現場では人が少なくなり、空調が利いた集中管理室で仕事をすることも増えています。しかし、現場を重視しなければ異物混入は減らないと思います。現場も涼しくして、シャキッとして働きたいものです。(第3研究室室長 戸塚英夫)
<2000年8月の主な業務>試験・研究・調査
- レトルト食品の熱伝達に及ぼす加熱媒体の種類および加圧量の影響
- 固液混合食品の熱伝達に及ぼす層状沈殿の影響
- 密封容器詰食品の誘導電流等による加熱殺菌技術の研究
- インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付47件、前月より繰り越し21件、合計68件、うち完了43件、来月へ繰り越し25件。
主要項目;各種缶詰の貯蔵試験、原因究明(変色、容器腐食、異臭など)、異物鑑定、揮発性成分分析、重金属分析、食品添加物分析、栄養成分分析、細菌接種試験、芽胞数測定、かび同定、無菌試験、変敗原因究明、証明書作成、殺菌試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理
その他
- チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催事務)
- 主任技術者講習会(巻締講習会事務局業務、HACCP主任技術者資格査定)
- 学会・講演会(日本食品工学会発表、温度計測講習会聴講)
- 会員サービス(来訪対応、電話回答など)
- 研修指導