(缶詰時報 2000年11月号掲載)


のいる食品化学研究室で行う試験の一つに官能評価がありますが、官能評価をやっていると食品の味や香りといった官能特性を、表現する難しさと表現力のなさに気づかされます。例えば、香りの違いが判っていても、強弱でしか表現出来なかったり、どんな香りなのかをうまく言葉に出来ない事がよくあります。

そんな時は、ソムリエのような表現力があればいいなと思ったりしますが、「雨上がりの森の中、落ちた葉の下に眠る湿った土の香り」なんてわかるような、わからないような表現はちょっといただけないでしょうし、犬並みの嗅覚があれば(それはそれでまた大変で、不快なにおいに悩まされてしまい、人間ぐらいの嗅覚で充分だと思うに違いありませんが)・・・馬鹿なことも考えてしまいます。


近、ある女性タレントの書いた本を読んでから、中国茶にとても興味があります。本の中で紹介している中国茶は、文山包種茶、凍頂烏龍茶、金萓茶、阿里山烏龍茶、木柵鉄観音茶、安渓鉄観音茶、プアール茶などで、それぞれの香りや味の特徴が表現力豊かに書かれています。

もちろん自分自身飲んだことのないお茶には興味をそそられましたが、お茶のみならず茶器にも惹かれています。日本でいう急須(茶壷、チャーフウ)、湯のみ(飲杯、インペイ)、香り専用の茶器(耳香杯、ウェンシャペイ)、茶さじ(茶則、チャーザー)などなど、小さくてかわいらしいこれらの茶器を店で見かけるたびに、購買欲が出て心が揺らいでしまうのです。

こんなかわいらしい茶器で淹れる中国茶はきっとおいしくって、リラックスした時間が過ごせると思うのですが、面倒くさがり屋の私は、すぐに飲めるペットボトルや缶入りのウーロン茶をついつい手にしてしまいます。


(第一研究室研究員 田口真寿美)


<2000年9月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. レトルト食品の熱伝達に及ぼす加熱媒体の種類および加圧量の影響 
  2. 固液混合食品の熱伝達に及ぼす層状沈殿の影響 
  3. みかん缶詰の恒温放置中における菌数変化 
  4. 混入異物の加熱履歴判定法の研究 
  5. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付25件、前月より繰り越し25件、合計50件、うち完了36件、来月へ繰り越し14件。
主要項目;各種缶詰の貯蔵試験、原因究明(変色、容器腐食、異臭など)、異物鑑定、重金属分析、食品添加物分析、細菌接種試験、芽胞数測定、かび同定、無菌試験、変敗原因究明、証明書作成、殺菌試験、容器密封性試験、フィルム穿孔原因究明、EO缶物理特性試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催)
  2. 主任技術者講習会(殺菌主任技術者講習会講師担当および査定、巻締主任技術者講習会事務局業務および査定) 
  3. 学会・講演会(アメリカ食品産業研究会講演聴講、JARO講演会聴講)
  4. レトルト食品品評会事務局業務 
  5. 会員サービス(来訪対応、電話回答など)

登録:2000/11/13
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