(缶詰時報 2001年 2月号掲載)


新世紀がスタートし,世の中では21世紀に起こるであろう様々な明るい期待が思い描かれていますが,食品業界ではどのようなことが起こるのでしょうか  

わが国におけるレトルト食品の歴史は意外と新しく,1969年に商品化に成功したレトルトパウチのカレー(大塚食品工業(株)のボンカレーR)から始まりました.その後,次々とレトルトハンバーグ,ミートボールなど開発が進められ現在にいたっています.日本における缶詰・びん詰食品の歴史は約120年ですが,レトルト食品では約30年,これは私の人生とほぼ同じ年数です.そしておそらく,私が生まれて最初に食べたレトルト食品はカレーであったと推測されます.こう思うとレトルト食品の存在と未来の姿に益々興味が膨らんできました.今や宇宙食にまで進化したレトルト食品は,これからも便利な食品として多様化する生活に対応して,様々に種類を増やし,その姿を変えていくことでしょう.

ただし,21世紀になっても全く変わらないことがあります.私の食欲だけでしょうか?それは食品の安全性です.これからも研究員として,変わってゆく食品を見つめ,変わってはならない食品の安全性のために研鑽してゆこうと思います.

 昨年を振り返ると,2000年問題を乗り切りほっとしたのもつかの間で,例年にもまして依頼試験が多く、予想以上に多忙な年となり,とても短く感じました.

毎年,私は仕事柄,新年最初に食べた食品がとても気になります.2000年を振り返り最初に食べた缶詰・レトルト食品を思い出そうとしましたが,どうしても思い出せませんでした.しかし2001年の今年,最初に私が選んだ製品は1月5日に食べたレトルトカレーでした.そこで,21世紀最初のテーマとしてレトルト食品について触れてみましょう。

(第2研究室研究員 山口 敏季)

 


<2001年 月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 密封容器詰食品の誘導電流等による加熱殺菌技術の開発 
  2. みかん缶詰の恒温放置中における菌数変化 
  3. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付32件、前月より繰り越し17件、合計49件、うち完了40件、来月へ繰り越し9件。
主要項目;缶詰食品の貯蔵試験、原因究明(変色、容器腐食、異臭など)、異物鑑定、栄養成分分析、細菌接種試験、かび同定、無菌試験、変敗原因究明、証明書作成、熱伝達試験、容器密封性試験、容器性能試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、発送)
  2. 主任技術者講習会(殺菌:講師担当、巻締:査定) 
  3. 学会・講演会(HACCP専門講師養成講習会、国際計量標準化トレーサビリティシンポジウム)
  4. 缶詰品評会事務局業務 
  5. 会員サービス(来訪対応、電話、電子メール回答など)
  6. 海外研修生見学対応

 


登録:2001/2/14
Copyright (c) 2001, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association