(缶詰時報
2003年1月号掲載) |
明けましておめでとうございます。
今年も皆様と当業界にとって良い年になるよう祈念いたします。
さて昨年は暗いニュースが多い中、明るいニュースの一つに、二人のノーベル賞受賞者が誕生したことがありました。とくに島津製作所の田中耕一氏については大方の予想に反した受賞で、マスコミも意外性を強調していました。その言葉を借りれば、弱冠43才、サラリーマン研究者で博士号を持たない学士などと、それまで受賞者といえば近寄りがたいイメージであったのと違って、癒し系(?)とまで呼ばれるほど身近な存在となったようです。その受賞研究、タンパク質の質量分析法も、私たちの食品分野にとってあながち遠い分野でなく、将来の食品の新技術開発、製品開発に役立つかもしれません。
ノーベル賞には残念ならが食品の部門はありません。しかし、もし200年前にノーベル賞があったとしたら、微生物学にもつながりがあることで、缶詰の始祖ともいうべきニコラ・アペールが受賞したかもしれません。ご存じのようにアペールは学者ではありません。いわば町の発明家です。このような無名の発明家が後世、これほど大きな貢献をした事実は、何かしら今回の田中氏の快挙に通じるとは思いませんか。 その世紀の大発明、缶詰の原理が食品保存の歴史に登場して、来年は200年目を迎えます。ここ数年、このコラムで言い続けていることですが、これを記念した事業の立案、準備は十分な準備期間をもってあたるべきかと思います。是非、缶詰産業に携わる皆様からのアイデアをお聞かせいただきたいと存じます。
そして今年も相変わらず日本缶詰びん詰レトルト食品協会の研究所に対する皆様のご支援を期待しております。(研究所長 増田寛行)
<2002年11月の主な業務>試験・研究・調査
- 小型熱交換器による飲料の超高温殺菌に関する研究
- 並列コンピュータ構築に関する研究
- 高温性偏性嫌気性細菌の芽胞形成培地の検討
- タケノコの色素に関する研究
- アルミレスパウチの性能評価試験
- インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付19件、前月より繰り越し17件、合計36件、うち完了20件、来月へ繰り越し16件
主要項目;レトルト食品の貯蔵試験、異物検定、成分分析(栄養成分、重金属、有機酸)、揮発性成分分析、容器腐食原因究明、細菌接種試験、変敗原因究明、菌数・芽胞数測定、無菌試験、カビ同定、証明書作成、容器密封性状試験、容器性能試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理その他
- チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催、事務業務)
- 51回技術大会事務局業務
- 主任技術者講習会(殺菌:講師担当、巻締:講師)
- 長野県園芸特産展品評会審査担当
- メチル水銀のリスクに関する調査
- 高度化支援法査定会
- 会員サービス(見学対応、研修、電話、電子メール回答など)