(缶詰時報
2003年8月号掲載) |
香りや手触りをインターネットで… 総務省の平成15年度情報通信白書によれば、2002年末の日本のインターネット利用人口は6,942万人、そのうちブロードバンド(高速・大容量通信)利用人口は1,955万人、そして5年後の2007年末にはインターネット利用人口は8,892万人、ブロードバンド利用人口は5,967万人になると予測されています。
これまで情報通信においては、人間の五感のうち視覚や聴覚に訴える情報提供が主体でした。これからの本格的なブロードバンド時代を迎えると、嗅覚、触覚、味覚に関する情報をインターネットを通じて提供する「五感通信」の技術研究開発が進み、今後5年から10年の間には、香りや触感もインターネットを通じて伝達できるのではないかと展望されています。
現在考えられている「五感通信」の仕組みは、まず識別センサーで感知した香りやモノの手触りをデジタル信号化し、それをブロードバンドを利用して送信し、受け手が離れた場所でも専用装置で再現された同種の香りをかぎ、同じような手触りを体感できるようにする、といったものです。香りや触感も食べ物のおいしさに影響を与える重要な要素ですので、このシステムが確立されれば、食品の分野においてもおいしさの情報伝達手段の一つとして有効活用されることと思われます。 情報通信技術は拡大し、まだまだ多くの可能性が秘められています。迅速かつ正確に分かりやすく、そして心が沸き立つような…そんなふうに情報を伝えることは本当に難しいとつくづく感じる次第です。
(情報管理研究室・研究員 加藤 睦美)
<2003年6月の主な業務>試験・研究・調査
- 高温性嫌気性細菌芽胞の調製と耐熱性試験
- アルミレスパウチの性能評価試験
- 水産缶詰の香気成分と加熱殺菌との関係
- 介護食品のレオロジーに関する研究
- 熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用
- インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付25件、前月より繰り越し15件、合計40件、うち完了25件、来月へ繰り越し15件
主要項目;異物検定、変色原因究明、成分分析(栄養成分)、膨張原因究明、細菌接種試験、変敗原因究明、菌株分与、容器性能試験、殺菌、FDA登録関連業務、証明書作成、研修、通関統計データ処理その他
- チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、事務業務)
- 主任技術者講習会(殺菌:講師担当)
- 学会参加(日本シミュレーション学会)
- 展示会調査(国際食品工業展、三浦ボイラーフェア)
- TV取材協力
- 会員サービス(電話、電子メール回答、来訪対応、工場訪問など)