(缶詰時報
2003年9月号掲載) |
2001年9月11日、ニューヨークの国際貿易センタービルに民間航空機2機が激突した同時多発テロから2年が経ちました。その後もテロは世界中で起こり、炭疽菌入り郵便物によるテロには、普通の家庭が突然おそわれる恐怖を感じたものです。
アメリカ合衆国は、米国民を守るため、バイオテロリズム法を制定しました。この法案には食品安全対策規則が含まれています。これは、本年12月12日以降、国内外を問わず施設の登録、製品の事前通知を行わない「全ての食品」は米国を流通できないという、きびしい内容です。
12月といえば、クリスマスや年越し用品で大量に食品が輸入される時期です。それが輸入できないと大変だと、焦ってFDAに問い合わせれば「最終規則の発表は10月なので、何もわかりません」とつれない返事。
巷では登録代行会社が「登録は是非うちにお任せください」と勧誘してくる。米国内は、少し混乱気味の様です。とうとう、FDAは「登録サービス会社に気をつけて!」と次のように警告しています。政府が委託した登録会社なんてありません! 登録用紙は、まだ出来ていません! 10月の規則発表まで登録受付は行いません! インターネットでの登録は簡単です!登録には一切料金はかかりません! なお、本会では会員の皆様に、バイオテロ関連規則の情報など随時お知らせしております。今後も出来るだけ協力してまいります。本件に関しては研究所にお問い合わせください。なお、最新の情報はFDAのHP(http://www.fda.gov/oc/bioterrorism/bioact.html)でご確認ください。
その際、本会提供の「FDA情報を活用するためのサイト(http://www.jca-can.or.jp/~fdainfo/)」もきっとお役に立つと思います。
(食品工学研究室・研究員 細井 順子)
<2003年7月の主な業務>試験・研究・調査
- 高温性嫌気性細菌芽胞の調製と耐熱性試験
- アルミレスパウチの性能評価試験
- 水産缶詰の香気成分と加熱殺菌との関係
- 熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用
- UHT処理による耐熱性細菌芽胞の死滅
- インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付28件、前月より繰り越し15件、合計43件、うち完了21件、来月へ繰り越し22件
主要項目;レトルト食品貯蔵試験、異物検定、変色変質原因究明、成分分析(栄養成分)、細菌接種試験、菌株同定、カビ同定、添加物の抗菌効果評価、容器性能試験、殺菌、FDA登録関連業務、証明書作成、工場調査、通関統計データ処理
その他
- チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、事務業務)
- 主任技術者講習会(殺菌:試験問題作成、HACCP:資格査定、品質管理:講師担当)
- セミナー参加(MS研究会)
- 会議出席(細菌接種試験検討会、日本鮪缶詰輸出水産業組合)
- 会員サービス(電話、電子メール回答、来訪対応、工場訪問など)