(缶詰時報
2003年10月号掲載) |
2003年の夏は台風や長梅雨で日照時間は短く気温も上がらず冷夏となり、多方面に影響があったのではないでしょうか。冷夏は10年ぶりでしたが、8月27日の火星大接近は15年ぶり、ある計算によれば約6万年ぶりの超大接近なのだそうです。地球と火星の距離は約5575万8千キロメートルまで近づいて、今世紀一番の接近と聞きました。
そもそも太陽、地球、火星が一直線に並ぶとき、火星と地球の距離が近くなるため火星の接近と呼ばれており、その接近は、火星と地球の公転周期の違い(火星は687日、地球は365日)から約780日ごとに起こります。また、地球の公転軌道はほぼ円形なのに対して、火星の公転軌道は楕円形であるため、火星が太陽に近い位置で地球と接近することを大接近と呼び、逆に太陽から遠い位置で地球と接近することを小接近と呼ぶのだそうです。
火星大接近といわれてもピンときませんが、望遠鏡がなくても普通に夜空を眺めたらすぐに分かるらしいと聞いて、さっそく肉眼で火星を探してみしました。最初は人工衛星かと思いましたが、人工衛星にしては大きいようで、オレンジ色の明るい星とでも言うのでしょうか、わずかに赤みを帯びた輝きに感激した次第です。南東から南の空に10月初旬頃までよく見え、12月末まで見え続けるらしく、当分は夜空を眺めて火星探しが楽しめそうです。
ところで、火星は英語でMars(マース)ですが、なんとレトルトパウチの「マースカレー」「マースハヤシ」というものがあることを最近知りました。こちらのマースは火星ではなくマンゴ/Mango、リンゴ/Apple、干しブドウ/Raisin、香辛料/Spiceの頭文字だということでした。
次回の火星大接近は2018年7月31日に約5780万キロメートルの距離だとか。今年のような冷夏でないことを祈りたいものです。(食品化学研究室・研究員 田口真寿美)
<2003年8月の主な業務>試験・研究・調査
- 高温性嫌気性細菌芽胞の調製と耐熱性試験
- アルミレスパウチの性能評価試験
- マグロ缶詰の香気成分と加熱殺菌との関係
- 熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用
- UHT処理による耐熱性細菌芽胞の死滅速度
- インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付20件、前月より繰り越し22件、合計42件、うち完了16件、来月へ繰り越し26件
主要項目;レトルト食品貯蔵試験、異物検定、原因究明(変色・内面腐食)、成分分析(栄養成分、重金属)、細菌接種試験、菌株同定、カビ同定、添加物の抗菌効果評価、菌数測定、変敗原因究明、微生物耐熱性試験、容器性能試験、熱伝達試験、FDA登録関連業務、証明書作成、通関統計データ処理
その他
- チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議準備、事務業務)
- 主任技術者講習会(巻締:資格査定、殺菌:試験採点)
- 学会、セミナー(日本食品工学会研究発表、ILSI JAPAN耐熱性好酸性菌シンポジウム聴講)
- 会議(日本缶詰びん詰レトルト食品協会GMP策定WG会議)
- 会員サービス(電話、電子メール回答、来訪対応など)