(缶詰時報 2004年6月号掲載)

年度の3月中旬に食品化学研究室では“クレームと原因究明に関するワークショップ”を開催しました。当初、年度末の忙しい時期に応募があるのか不安でしたが、募集定員16人のところ、多数の申込みをいただいてお断りするほどでした。どうもありがとうございました。ワークショップの内容は、クレームについての全般的な講義と、異物、異臭、変色、膨張などのクレームの原因を究明するために必要な分析を実習するというものでした。実習はクレーム試料を用いて、溶解性試験、呈色反応観察、金属の定性および定量試験、マイクロスコープによる観察、ヘッドスペースガス分析、GC-MS分析、FT-IR分析などを行いました。また、時間をあまり割けなかったのですが、食品微生物学研究室によるクレーム品の微生物学的簡易検索についての講義と顕微鏡観察も実施しました。今回のカリキュラムは実務経験の浅い方を対象に、いろいろな分析を実習できるように組んだために、実際にクレーム処理に関する分析をされている参加者はもの足りなさを感じられたかもしれません。

また逆に経験の浅い方には、こちらの説明が充分ではないなど理解しにくい点もあったかと思います。私ども食品化学研究室の面々は反省しきりで、改善しなければならないことが多々みつかりました。今回の反省点を踏まえて、次回はもっと充実したものにしていきたいと思います。その際はよろしくお願いいたします。

て、4月になり当研究所には新入社員は入りませんでしたが、通勤途中には新入社員らしき人達をよく見かけました。なぜ新入社員だと分かるのかといえば、やはりスーツが今一サマになっていないなど理由はありますが、私が思うに目が違うような気がします。希望に満ちた目とでも言うのでしょうか。その清んだ瞳をいつまでも曇らせないでほしいものです。

 (食品化学研究室 田口真寿美)


<2004年4月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. アルミレスパウチのバリアー性評価

  2. 加熱処理条件が玄米粥中におけるボツリヌス菌の発育に及ぼす影響 

  3. 容器包材の酸素透過度がボツリヌス菌の発育に及ぼす影響 

  4. 熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用

  5. 食品の粘性が熱伝達に及ぼす影響

  6. オンライン情報検索

  7. インターネットによる情報管理

  8. データベースの実用化

依頼試験

新規受付46件、前月より繰り越し24件、合計70件。うち完了44件、来月へ繰り越し26件。

主要項目:異物検定、成分分析(揮発性成分、水分、脂肪酸、重金属)、原因究明(変色、腐敗)、貯蔵試験、官能評価、微生物接種試験、菌株同定、菌数測定、変敗原因究明、研修、容器性能試験、熱伝達測定、FDA工場登録関係、英文証明書作成、バイオテロ法によるFDA施設登録、通関統計データ処理、文献複写

その他

  1. チルド食品研究会業務(情報誌用原稿作成)

  2. 殺菌主任技術者講習会関係業務(査定)

  3. 会議(ビジョン検討会、技術委員会) 

  4. 新機能材料展調査

  5. 会員サービス他(見学、電話、電子メール回答)


登録:2004/6/11
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