(缶詰時報 2004年7月号掲載) |
先日、郵便局で郵便窓口に並んでいると、なぜか列がまったく進みません。こっそり話を聞いてみると、「中身はなんですか?」「食べ物です。」「どんな食べ物?」・・・・・・
お婆さんが外国の家族に小包を送るのでしょう、職員が英語の伝票を代わりに書いています。
「EMS(国際スピード郵便)でしたね。」のんびり待ちながら、8月からのことを考えて憂鬱になりました。それは缶詰時報やFDA情報などで何度もご案内しているとおり、バイオテロ規則の完全施行が近づいているからです。
2003年12月12日米国は、FDAバイオテロ規則を施行しました。これは、米国民を守るため、全ての食品、ペットフードの製造、包装、倉庫業者に至るまで、毒物混入といったバイオテロの行われる可能性がある関係施設を登録して施設登録番号を取得することが、必要になったのです。そして、米国に輸出する際は、荷物が到着する前に食品内容の詳細を施設登録番号と一緒に事前に通知しなければなりません。商社はもちろん、昨年末から取り扱い製品の施設登録を行っています。問題は、このお婆さんのように個人が送った郵便小包(DHLなど託送便は除く)まで、事前通知が必要なことです。
昨年末には、あわてて米国向けの食品入り小包の受け取りを拒否する郵便局まで出てきました。やっと、「8月12日までは教育的期間として、注意するだけにとどめ輸入停止措置は取らない」とFDAから発表があり、今は通常どおり受け取ってもらえるようです。ただし、8月12日までなのです。郵便伝票を英語で書けない人に「コンピュータでFDAのインターネットのホームページを開いて、米国に送る食品の事前通知をして下さい。個人の場合は、施設登録番号はいりませんよ。」と言ったところで、一文字も理解できないでしょう。どうしても、留学中のお子さんに「味噌汁」を送ってあげたい方、8月12日までに米国に到着するよう余裕を持って発送してください。そして、8月12日過ぎに郵便局に行ったら、小包を抱えた人の行列ができているかも知れません。親切な郵便局員さんが一生懸命説明しているのです。じっと我慢しましょう。本会では、バイオテロ関連規則の施行にともない、「FDA施設登録サービス」として米国代理人の提供を含めた施設登録の代行業務や、情報提供を行っております。以下のホームページでご確認下さい。
http://www.jca-can.or.jp/~fdainfo/ただし、事前通知の代行は行っておりませんので、ご了承下さい。
(食品工学研究室 細井順子)
<2004年5月の主な業務>
試験・研究・調査
アルミレスパウチのバリアー性評価
接種試験用ボツリヌス菌の諸性状
熱伝達シミュレーションへの並列分散処理の応用
食品の粘性が熱伝達に及ぼす影響
オンライン情報検索
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付25件、前月より繰り越し26件、合計51件。うち完了29件、来月へ繰り越し22件。
主要項目:異物検定、成分分析(揮発性成分、水分、脂肪酸)、原因究明(腐食、異臭)、貯蔵試験、微生物接種試験、菌株同定、菌株分与、変敗原因究明、研修、容器性能試験、FDA工場登録関係、英文証明書作成、バイオテロ法によるFDA施設登録、通関統計データ処理、文献複写その他
HACCP講習会(講師担当)
熱流体技術講演会講演
e-食安全研究会特別セミナー講演
介護食セミナー聴講
缶詰巻締初級試験関係業務
食品包装プロセス研究会業務(情報誌発送)
チルド食品研究会業務(情報誌作成、事務業務)
FDA管理サービス業務
会員サービス他(技術指導、見学、電話、電子メール回答)