(缶詰時報 2004年10月号掲載) |
8月は連日連夜のオリンピック中継にテレビの前から離れられず、連日寝不足だった方も多いのではないでしょうか。しかし、今回のアテネオリンピックでは金メダル16個、銀メダル9個、銅メダル12個と日本人選手のメダルラッシュに沸き、寝不足など吹き飛ばすほどの興奮を与えてくれたと思います。
私がテレビでオリンピック中継を見ている時のことですが、レポーターの「○○選手は昨日ニンニク注射を打って、今日の試合にのぞんでいます。」という言葉が耳に入ってきました。「ニンニク注射」という言葉を初めて聞いたため、ニンニクから抽出したエキスを血管に直接打つ様を想像し、複雑な気分になりました。しかし、後々調べてみますと「ニンニク注射」はニンニクエキスではなく、ビタミンB群やC群の入った疲労回復用の注射のことなのだそうです。ビタミンB群は体内のエネルギー代謝を活性化させ、疲労物質である乳酸を分解します。このビタミンB群がニンニクにも含まれていることから、ニンニクの持つスタミナがつき、元気が出るというイメージを利用して「ニンニク注射」という名前が付いたそうです。
確かに「ビタミンB群注射」という名前より「ニンニク注射」の方が元気が出そうな気がします。食品の持つイメージを利用した非常にユニークで効果的なネーミングだと感心させられました。
ニンニクの持つイメージとしてスタミナの他ににおいがあると思います。ニンニクに含まれる硫化化合物のアリインやメチニンが酵素のアリイナーゼと反応して、あの独特のにおいが生成されます。しかし、生のニンニク中では各成分は別々の場所に存在するため、においが生成されないそうです。
皆様の中にもニンニクは大好きでも食後の臭いが気になるという方が多いのではないでしょうか。某テレビ番組によると、ニンニクが消化され、においを発し始める1時間後位に青汁、チーズ、牛乳といった食品を摂ると消臭効果が期待できるそうです。この中でも牛乳は比較的摂り易いのではないでしょうか。私もニンニクが大好きですので、今度試してみたいと思っています。
(食品化学研究室 山崎良行)
<2004年8月の主な業務>
試験・研究・調査
コーンスープの粘度低下に関する研究
接種試験用ボツリヌス菌の諸性状
好熱性嫌気性細菌の芽胞形成用培地の検討
デンプン懸濁液の連続流動殺菌
食品の回転殺菌における熱伝達
オンライン情報検索
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付48件、前月より繰り越し22件、合計70件。うち完了47件、来月へ繰り越し23件。
主要項目:貯蔵試験、原因究明(黒変、変色、異物、腐食、ピンホール)、ヘッドスペースガス分析、栄養成分分析、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、無菌試験、容器性能試験、試製(殺菌)、英文証明書作成、通関統計データ処理その他
ワークショップ(クレーム原因に関する)関係業務
第5回日本食品工学会発表(東京大学農学部)
HACCP支援法関係業務(査定)
巻締主任技術者認定講習会関係業務(査定)
殺菌主任技術者認定講習会関係業務(試験採点)
食品包装プロセス研究会関連業務
FDA管理サービス業務
チルド食品研究会関連業務(情報原稿作成)
会員サービス他(技術指導、文献調査、見学、電話、電子メール回答)