(缶詰時報 2005年6月号掲載)

月の缶詰時報の記事のとおり、日本缶詰びん詰レトルト食品協会では去る2月19〜26日の間、オーストラリア牛肉ならびに食肉加工施設の調査ツアーを実施しました。参加者は、日本缶詰びん詰レトルト食品協会会員企業9社・9名、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)職員2名、現地通訳1名、日本缶詰びん詰レトルト食品協会職員2名の計14人という構成で、私も日本缶詰びん詰レトルト食品協会職員の一人として参加しました。道中いろいろありましたが、参加者皆々様にお礼申し上げます。

だ寒さが続いていた頃でしたが、日本とは季節が逆のオーストラリアでは夏真っ盛り、ツアーと通じて日中は連日30℃以上、ただし湿気が少ないためか蒸し暑いという感じではありませんでした。オーストラリアでは現在2,700万頭の牛を飼育しており、人口が約2,200万人ということで、人間よりも牛の数が多く、世界一位の牛肉輸出大国となっております。また、世界に先駆けて導入された家畜のトレーサビリティーシステム、食肉ならびに食肉加工品の検疫システムにより、政府と企業が一体となって厳重な衛生管理体制がとられています。詳細については、記事をご覧ください。

ころで、オーストラリアなど南半球では、北半球と季節が逆であるだけでなく、台風の渦の巻き方も北半球とは逆の右回りになります。これは地球の自転運動に伴うみかけの力、コリオリ力の向きが赤道を隔てて逆になるためです。また、台風の雲は上昇気流によって発生しますが、高気圧は地面方向に気流が向かうので、北半球では右回りとなります。それでは洗面台に張った水の栓を抜いたときの渦もコリオリ力により、北半球では右回り、南半球では左回りになるのかというと、これは疑問のようです。洗面台に張った水のレベルではコリオリ力は小さすぎて渦の向きにほとんど影響ないそうです。またとないオーストラリア出張ということで、現地で洗面台に張った水の渦の向きについて確認するつもりでいましたが、ツアーに専念するあまり忘れてしまいました。今後ともツアーが企画され、どなたか確認されれば幸いです。

 (食品工学研究室研究員 五味雄一郎)


<2005年4月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価

  2. 耐熱性好酸性菌の芽胞形成用培地の検討と耐熱性測定

  3. 食品の回転殺菌における熱伝達

  4. オンライン情報検索 

  5. インターネットによる情報管理

  6. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付26件、前月より繰り越し22件、合計48件。うち完了25件、来月へ繰り越し23件。

主要項目:貯蔵試験、揮発性成分分析、栄養成分分析、ヒスタミン分析、原因究明(腐食、異臭)、官能評価、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、菌株分与、容器性状および性能試験、殺菌条件申告、英文証明書作成、対米輸出工場登録、文献複写、通関統計データ処理

その他

  1. 新GMPマニュアル編集会議

  2. ビジョン検討会

  3. 研究会業務(情報誌作成およびチルド食品研究会会議開催)

  4. 国際食品素材添加物展調査

  5. 巻締主任技術者講習会査定業務

  6. 所内ガス点検対応業務

  7. FDA管理サービス関連業務

  8. 会員サービス他(文献調査、見学、電話、電子メール回答)


登録:2005/6/14
Copyright (c) 2005, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association