(缶詰時報 2005年8月号掲載) |
夏の暑い時にこそ、汗を流しながら辛いものが食べたくなることはありませんか。最近は世界一辛い唐辛子ハバネロが話題となって、カレーや菓子など様々な製品に使われています。インターネット等で辛さについて検索すると「スコヴィル」という辛さを表す単位をよく目にします。スコヴィル値は1900年代前半にウィルバー・スコヴィルにより考案されたもので、試料に対して一定濃度の砂糖水を加え、パネラーが辛さを感じなくなるまでの希釈倍率を示しているそうです。パネラーの個人差も影響を与える数値ですが、タバスコは3〜5万スコヴィル、ハバネロは10〜30万スコヴィルとのことですから、ハバネロがかなりの辛さであることは想像できます。現在は高速液体クロマトグラフを用いてカプサイシンなど辛味成分含量を測定して辛さを比較することが可能となっています。カプサイシンは食欲増進などに効果があることが示されています。夏バテ気味の方は辛くてスタミナのつくものを食べてみてはいかがでしょうか。まだまだ暑い日が続きますが、暑さに負けないで夏を乗り切りましょう。
私は辛いものが大好きというほどではないのですが、世界一という言葉には非常に弱いため、一度くらいは生のハバネロの辛さを試してみたいと思っていました。生のハバネロを入手することはできませんでしたが、近所のコンビニエンスストアでハバネロ栽培キットを見つけました。自分で育てたものを食べるのも面白いと思い、購入してみました。キットの中には種、培養土、植木鉢と必要なものはひととおり揃っていますので、あとは水を与えるだけです。種からですので食べられるように育つまでどのくらい時間がかかるかわかりませんが、「世界一辛い唐辛子」を味わう日をゆっくり待ちたいと思います。
話は変わりますが、当研究所では「クレームと原因究明に関するワークショップ(基礎編)」を9月に開催いたします。化学分析や機器分析など実習が中心の内容となっているため、どうしても定員が限られてしまいます。ご希望の方は是非、お早めに申し込み下さいますようお願いいたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
(食品化学研究室研究員 山崎良行)
<2005年6月の主な業務>
試験・研究・調査
容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価
耐熱性好酸性菌の芽胞形成用培地の検討と耐熱性測定
食品の回転殺菌における熱伝達
オンライン情報検索
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付30件、前月より繰り越し38件、合計68件。うち完了35件、来月へ繰り越し33件。
主要項目:貯蔵試験、揮発性成分分析、栄養成分分析、異物検定、変色・異臭原因究明、水分・pH測定、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、菌株分与、芽胞数測定、容器性能試験、密封評価、殺菌条件申告、英文証明書作成、通関統計データ処理
その他
主任技術者講習会業務(講師担当HACCPおよび殺菌管理、査定HACCP)
バリアン機器分析セミナー聴講
ビジョン検討会業務
講演(日本食品工学会春季フォーラム、近畿缶詰技術研究会)
FDA管理サービス関連業務
研究会業務(事務関係および情報誌作成)
会員サービス他(文献調査、技術指導、見学、電話、電子メール回答)