(缶詰時報 2005年9月号掲載) |
暑さの厳しいこの夏、皆さんはどんな風に乗り切りましたか。私的には汗をかく夏の時期は狭い自宅の扇風機の前で過ごすよりも、平日は職場のクーラーが効いたDNA解析操作を行う恒温室で仕事をするほうが好きです。
しかしながら、その部屋にいる時間が長いということは、細菌同定の依頼試験が多いということで、部屋は涼しいのにも関わらず、頭の中で汗をかいております。
休日はもっぱら早朝より海に行き、お昼時には、大きなクーラーボックスの中で冷やした三浦スイカをほおばって、夏の暑さの心地よさを感じ、たまには、海女さんから手作りの冷たいトコロテンを頂いたりして、夏らしく暑さを乗り切っております。
ちなみに、今年のスイカの売れ行きは低迷したそうですがトコロテンの売れ行きは前年を大幅に上回ったそうです。トコロテンの原料といえば寒天(agar−agar)。今最も話題となり、健康食品として大きく取り上げ、何処のスーパーに行っても売り切れ続出でした。その寒天の売り文句で気になったことがひとつ、 『国産原料100%使用』 は良いとしても 『混じりっ気無し、純粋100%』 という文句は不適切ではないかと思いました。もともと、寒天の原料はテングサ・オゴノリなどの紅藻類で、更に構成成分はアガロースとアガロペクチンからなっており、正確に精製して売るならアガロース100%なのではとついつい、つっこみを入れてしまいました。仕事上、細菌の培地材料として頻繁に使用している寒天はトコロテン以上になじみのある物ですが、いまだ、自分自身の健康のために積極的かつ大量に利用したことはありません。私の親戚、知人はすでに2ヵ月以上も毎日のように摂食し、頑張って?いますが、寒天の効果が 『あるある』 なのかは、さだかではありません。
(食品微生物学研究室 山口敏季)
<2005年7月の主な業務>
試験・研究・調査
容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価
耐熱性好酸性菌の芽胞形成用培地の検討と耐熱性測定
食品の回転殺菌における熱伝達
オンライン情報検索
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付39件、前月より繰り越し33件、合計72件。うち完了43件、来月へ繰り越し29件。
主要項目:貯蔵試験、揮発性成分分析、栄養成分分析、異物検定、変色・異臭原因究明、亜硫酸・亜硝酸測定、ヘッドスペースガス分析、水分・pH測定、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、菌株分与、無菌試験、試製、容器性能試験、密封評価、殺菌条件申告、英文証明書作成、通関統計データ処理
その他
ワークショップ関係業務
会議(食品研究所長会)
学会(日本シミュレーション学会、日本食品工学会)
FDA管理サービス関連業務
研究会業務(事務関係および情報誌作成)
新GMPマニュアル業務(原稿作成)
主任技術者講習会関連業務(品質管理講習会開催)
会員サービス他(文献調査、技術指導、見学、電話、電子メール回答)