(缶詰時報 2007年4月号掲載) |
先日、外耳炎のため耳鼻科に行った時のことですが、待合室の人の多さに驚きました。受付に設置してあるパソコンのモニターには「38人待ち」と表示されていました。待合室で待つ間、周囲の人の会話から殆どの方が花粉症のために来院していることがわかりました。私は花粉症ではないため、気付きませんでしたが、今年も花粉症の方には辛い時期になったのだと実感しました。
現在、日本人の5〜10人に1人が花粉症と言われています。毎年のように新しい対処法や対策グッズを目にすることからも花粉症対策への関心の高さを伺い知る事が出来ます。花粉症の季節になると薬局やスーパーなどで良く見かけるものとして甜茶やシソの葉エキスがあります。抗アレルギー作用として、甜茶に含まれる甜茶ポリフェノールはくしゃみ、鼻水などの症状を引き起こすヒスタミンの分泌を抑制し、シソの葉に含まれるフラボノイドの一種は炎症を引き起こすTNF(腫瘍壊死因子)の生産を抑制してくれるそうです。また、最近注目を集めているものとして缶詰協会技術賞を受賞した研究テーマでも知られる緑茶の“べにふうき(紅富貴)”があります。
“べにふうき”に多く含まれるメチル化カテキンがアレルギーの初期反応であるIgE受容体の発現とヒスタミンの放出を抑制する作用をもつことが報告されています。“べにふうき”は本来紅茶用として栽培されていましたが、発酵させて紅茶にするとメチル化カテキンが消失してしまうため、発酵させない緑茶として飲まれています。
販売されている“べにふうき”には茶葉や粉茶、飲料などがあり、私も幾つか購入してみました。味は製法などにより異なるようで苦味、渋味が強いものから弱いものまでありました。ちなみに私の好みは苦味の強いものでした。花粉症への効果については周りに訊ねてみたところ、「即効性を感じる、症状が緩和された」などの意見が聞かれました。この時期、花粉症が辛いという方は試してみてはいかがでしょうか。今後もこのような機能性成分を持つ食品に注目していきたいと考えております。
(食品化学研究室 山崎良行)
<2007年2月の主な業務>
試験・研究・調査
有芽胞乳酸菌の芽胞形成用培地の検討
好酸性菌芽胞の耐熱性測定
食品の通電加熱
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付38件、前月より繰り越し25件、合計63件。うち完了36件、来月へ繰り越し27件。
主要項目:貯蔵試験、分析(栄養成分、ヘッドスペースガス)、定量(水分、糖類)、異物検定、品質評価、容器性状観察、膨張原因究明、微生物接種試験、菌株同定、変敗原因究明、耐熱性試験、無菌試験、技術指導、容器性能試験、容器密封性状試験、堅さ測定、熱伝達測定、FDA殺菌条件申告、英文証明書作成、ホームページ管理、通関統計データ処理
その他
研究会(食品包装プロセス会議開催)
愛媛県缶詰協会主催「技術研修会」講師担当
北海道缶詰協会主催「殺菌・品質管理講習会」講師担当
HACCP主任技術者講習会査定業務
水産利用懇話会会議出席および講演会聴講
廃棄薬処理関係業務
FDA管理サービス関連業務
会員サービス他(技術指導、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)