(缶詰時報 2007年5月号掲載) |
今年はインフルエンザが大流行し、流行(はやり)に敏感?な私も生まれて初めてインフルエンザに感染してつらい目にあいました。天気も良く、絶好の○○日和の貴重な創立記念の休日を挟んで会社を3日間休みました。その頃、当研究所のある横浜の感染状況は圧倒的にA型が多くB型、AおよびB型、おまけにノロウイルス付きというひどい状況だったようです。ちょうど抗ウイルス製剤・タミフルの服用が問題になっており、治療方針として飲むか、飲まないかと尋ねられましたが、私は迷わず服用を希望し、無事に仕事に復帰することができました。一説にはインフルエンザの治療にタミフルの服用をなくした場合、医療技術の歴史が20年は後退すると言われています。また、タミフルに対して耐性を持つ新型まで登場している現状です。皆さんもご存じのように、ウイルスは肉眼では見ることができない最も小さな微生物です。普通のマスクでは、完全に遮断することはできません。
どの程度の大きさかというと、微生物の大きさの単位はμm(マイクロメートル)で表され、仮に10μmを10センチと仮定した場合、ウイルスは0.2ミリ、大腸菌などの細菌は5センチ、リンゴ(約10センチとして)は1,000メートルとなり、ウイルスがいかに小さいかがわかります。このように基本的な微生物の知識は知られていますが、実務に際し、食中毒細菌以外の食品の変敗に関わる微生物の情報は、まだまだ未知であると実感しております。食品の変敗原因の究明等のご依頼を通じて、会員の皆様へ迅速でタイムリーな情報提供に努めていきたいと考えています。また、昨年度より開催しております「基礎技術講習会」では、容器詰食品に関する基礎的な情報を中心に取り上げ、開催しております。また、業界ならではの実務に役立つ情報もご提供できると思いますので、ふるってご参加ください。
(食品微生物学研究室 山口敏季)
<2007年3月の主な業務>
試験・研究・調査
有芽胞乳酸菌の芽胞形成用培地の検討
好酸性菌芽胞の耐熱性測定
食品の通電加熱
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付41件、前月より繰り越し27件、合計68件。うち完了44件、来月へ繰り越し24件。
主要項目:貯蔵試験、ヘッドスペースガス分析、付着物同定、異物検定、品質評価、油脂特数測定、膨張原因究明、微生物接種試験、菌株同定、菌株分与、変敗原因究明、耐熱性試験、無菌試験、研修、容器性能試験、容器密封性状試験、堅さ測定、FDA殺菌条件申告、英文証明書作成、ホームページ管理、通関統計データ処理
その他
講師担当(長野県技術講習会・工場巡回技術相談、愛媛県技術研修会、工業技術会(株)、東洋紡PPS)
研究会(チルド食品会議開催、食品包装プロセス会議開催準備)
講習会査定業務(巻締・殺菌)
FDA管理サービス関連業務
会員サービス他(技術指導、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)