(缶詰時報 2007年11月号掲載) |
今年の夏は大変な猛暑となりました。8月16日には埼玉県熊谷市および岐阜県多治見市でともに最高気温が40.9℃に達し、1933年7月25日の山形市における国内最高気温の記録40.8℃を74年ぶりに更新しました。よって今夏の電力消費量は過去最高を記録しました。毎年、電力消費のピークは、家庭内の冷房がフル稼働する高校野球シーズンの午後といわれております。猛暑の折、労働生産性あるいは健康面を考えれば、冷房の使用は必要不可欠になっていますが、限りあるエネルギー資源の節約および地球環境保護の観点から、無駄な照明を消す、冷房の設定温度を下げ過ぎない等、節電には努めたいものです。
さて、広く実社会において省エネルギーに貢献している機器にインバーターがあります。冷蔵庫やエアコンあるいは照明器具の広告などで耳にすることが多いと思います。インバーターは、交流電流を直流電流に変換し、これを任意の周波数の交流電流に変えて出力する装置です。原理的に交流モーターの回転速度は、電源の周波数によって調節することができます。
これによって、冷蔵庫やエアコンの運転をきめ細く制御し、省エネを実現しています。また、蛍光灯用インバーターは、商用交流電源を数十kHzの交流電流に変換し、蛍光灯を点燈させるため、チラツキがありません。また、最近の電車は速度制御をインバーターで行っています。発車・停車時に何とも形容しがたい音を発生させていますが、あれが正にインバーターです。インバーターはデジタル化された交流電流を出力しますので、様々な周波数成分を発生させます。これらの周波数成分を上手く調整すれば音階にもなるので、研究所付近を通る私鉄電車は電子楽器のような軽妙な音を奏でています。
食品機械においてもコンベアやポンプなど動力を使用するものが多数あります。これらの運転速度は殺菌時間など、微生物的安全性を保証する上で重要なものもありますが、微妙な速度調整にはインバーターは適していると思います。値段もモーターの出力によって異なりますが比較的手頃で、取付けも簡単です。今後は、このような周辺装置にも目を向けていきたいと思います。
(食品工学研究室 五味雄一郎)
<2007年9月の主な業務>
試験・研究・調査
熱帯果実の有機酸組成および陰イオン組成の分析
有芽胞乳酸菌の芽胞形成用培地の検討
連続式通電加熱の熱伝達解析
インターネットによる情報管理
データベースの実用化
依頼試験
新規受付33件、前月より繰り越し15件、合計48件。うち完了28件、来月へ繰り越し20件。
主要項目:貯蔵試験、分析(ヘッドスペースガス、栄養成分等、揮発性成分)、ヒスタミン定量、異物検定、付着物同定、測定(水分、油脂特数、揮発性塩基窒素)、原因究明(音響不良、変敗)、試製、証明書発行、微生物接種試験、菌株同定、耐熱性試験、細菌試験、菌株分与、容器性能試験、缶密封性状、FDA殺菌条件申告、英文証明書作成、ホームページ管理、通関統計データ処理
その他
講習会講師(殺菌、基礎技術、外部)
研究会(情報誌作成)
果汁技術研究発表会聴講
日本食品微生物学会聴講
ミカンびん詰製造
FDA管理サービス関連業務
会員サービス他(技術指導、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)
Update 2007/11/14 |
|
Copyright (c) 2007, 日本缶詰びん詰レトルト食品協会 / Japan Canners Association, All rights reserved |