(缶詰時報 2009年8月号掲載) |
ゴールデンウィークの頃には、新型インフルエンザについてのニュースが連日報道されていましたが、この頃では報道を耳にすることもなくなり、梅雨に入り湿度も高くなったので、流行が収まったものと思っておりました。ところが、つい最近「国内の新型インフルエンザ感染者数が2,000人を突破した」との報道を耳にしました。発症患者数は5月17日にピークを迎えその後減少していましたが、6月から徐々に増加し、7月1日の発症患者数は100人近くにのぼっているとのこと。5月のピーク時より多い発症者数です。調べてみると、国内で発症者が出ていないのは山形県だけのようです。気を抜くことなく予防を心がけたいものです。
予防というと真っ先に思いつくのが「マスク」でしょうか。GWの頃は通勤時にマスクをしている人が増え、店頭でのマスクの品切れが続いていました。
日本人のマスク神話などと言われていますが、実際にウイルスとマスクの網目の大きさはどれ位かというと、インフルエンザウイルスは約100nm(直径1万分の1mm)、サージカルマスクの基準は粒子4〜5μmのものを95%除去することとなっています。ウイルスは、マスクの通過を防げる大きさより40〜50分の1小さいことになります。ウイルスがテニスボールくらいだとすると、マスクの網目はなんと3m前後になる計算です。
マスクは患者が咳きくしゃみなど飛沫といっしょにウイルスをばら撒くのを防ぐには効果的ですが、感染を防げるということにはならないと思います。本格的な流行時期にはウイルスの毒性が強まるとか、タミフル耐性菌が出現しているなどの話も耳にします。マスクを過信しすぎないよう予防に心がけて下さい。
(食品微生物研究室 大久保良子)
<2009年6月の主な業務>
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Update 2009/8/4 |
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