(缶詰時報 2010年5月号掲載)


の缶詰時報5月号がお手元に届く頃は若草萌える新緑の時季となっていることでしょう。そのため季節外れの話になってしまいますが、今年の2月、3月は度々強い寒波が来襲して日本各地で記録的な大雪が観測されました。東京では積もるほどではありませんでしたが、2月の降雪回数が10回と26年ぶりの多さになったとのことです。また2月27日にはチリ沖でマグニチュード8.8の巨大地震が発生し、1万数千キロの太平洋の彼方から津波が日本各地の沿岸に押し寄せてきました。丁度50年前に発生したチリ沖地震はマグニチュード9.5と途轍もない巨大地震で三陸地方沿岸に甚大な津波の被害をもたらしました。今回の地震は50年前と比較すると1/10程度のエネルギーとのことですが、それでも三陸沿岸地域に1メートル強の津波が押し寄せました。三陸沿岸の会員企業の皆様におかれましては、無事であったことを切に願っております。

は変わりますが、3月には恒例の食品包装プロセス研究会会議が東京・四ツ谷の主婦会館にて開催されました。

2名の先生に講演をしていただき、非常に有益な講演内容でありましたが、講師先生方のプロフィールも大変興味深いものでした。一方の先生であるH氏は、技術者・研究者として第一線のご活躍をされ、多数の賞を受けておられますが、数々の技術系の難関資格も取得されているとのことです。また技術偏重にならないよう簿記ならびに中小企業診断士の資格も取得されているとのことでした。今後は技術者・研究者といえども会社の経営状態やお金の流れが把握できる能力が必要と実感しました。なおH氏の資格紹介の中でちょっとユニークなものに「eco検定」というのがありました。正式には「環境社会検定試験」というそうですが、要するに環境に関する知識を問う試験です。昨今では「グリーン購入」、「カーボンフットプリント」、「LCA」など環境に関するキーワードが新聞紙上に載らない日はないほどになっておりますが、マスメディアの情報だけでは不充分に思えます。この種の問題を理解する上で「eco検定」に関する参考書を一読するのは大変有意義でありますし、有資格者の社会的ニーズは高まっていくと予想されます。

  

(食品工学研究室 五味雄一郎)


<2010年3月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. トランス脂肪酸の生成に及ぼすレトルト殺菌の影響

  2. 果実・野菜類の成分に関する調査

  3. 細菌同定のための遺伝子解析における試薬等の検討

  4. 振動式熱交換器におけるシミュレーション

  5. インターネットによる情報管理

  6. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付40件、前月より繰り越し21件、合計61件。うち完了42件、来月へ繰り越し19件。

主要項目:試験(貯蔵、微生物接種、微生物耐熱性、無菌、缶蓋強度、容器密封性状、容器性能)、定量(ヒスタミン、水分、鉄)、油脂特数測定等、異物検定、原因究明(変色、噴出、腐食、異臭、穿孔、変敗)、内容物調査、脂肪酸組成分析、官能評価、生菌数測定、菌株同定、菌株分与、芽胞液の調製、英文証明書作成、試製、研修、FDA殺菌条件申告、ホームページ管理、通関統計データ処理

その他

  1. 産業廃棄物および廃棄試薬処理業務

  2. 食品産業技術ロードマップ発表会出席

  3. 北海道缶詰協会主催「殺菌・品質管理講習会」講師担当

  4. 第84回殺菌管理および第161回巻締主任技術者講習会査定業務

  5. 関東地域会員企業巡回

  6. 本会理事会出席

  7. 研究会(食品包装プロセス、チルド食品)会議開催

  8. FDA管理サービス関連業務

  9. 会員サービス他(技術相談、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)


Update 2010/5/10

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