(缶詰時報11月号掲載)

 8月24日にMicrosoft Windows95(英語版)が世界中で発売され、いち早く買い求めようとする人々の大騒ぎぶりが報道されました。これまでに700万本を売ったといいますから大変な人気です。残念ならが日本語版の発売はこの記事をお読みいただいている頃かもっと後になるようです。しかし製品版に先だって最終テスト版なら手に入ります。これをもとに一足早くその使い心地をお知らせしましょう。

 32ビット化、完全なマルチタスク、プラグアンドプレイでハードの設定が簡単、などなど色々な改良点があげられていますが、真っ先に実感するのは画面構成でしょう。Windows3.1のようにいきなり沢山のアイコンが並ぶのではなく、「スタートボタン」を押して選択する方式と、3D的な表示で画面が広くなったような気がします。肝心の処理速度ですが、まだ本格的にWindows95に対応したソフトがない現状では真価を発揮するには至っていないようです。もちろんこれまでのソフトは問題なく動きます。

 なかで最も便利と思うのが通信とネットワーク機能が充実していることです。インターネットへの接続も内蔵機能で簡単に実行できます。発売にあたり話題を呼んだMicrosoft Networkにも、モデムと電話があれば簡単に接続できてしまいます。マイクロソフト社の独占を懸念した声もあながち根拠のないものでないと感じます。

 このようにネットワークが簡単に利用できるようになると、サーバーという中核になる機械を装備すれば、一台一台のコンピュータにはそれほど大きな記憶装置は必要でなくなり、プリンターのような周辺機器、ソフトやデータも多くのユーザで共有することができます。オフィス内のネットワークだけでなくインターネットなど外部のネットワークを利用すれば会社と自宅のコンピュータを結んで仕事をこなすことができる、そんな意味のSOHO(Small Office & Home Office)という言葉も生まれています。

しかし、ソフトやハードに関していかにネットワーク環境が整っても、使わない、使いたくないという人がいては効果がありません。誰でも利用したくなるような環境、内容が整ってこそ、ネットワークの真価が発揮できるようになるのでしょう。いちばん難しい課題は人間とのインターフェースかもしれません。

(第4研究室室長 増田寛行)

<‘95年9月の主な業務>
試験・研究・調査

  1. 自主管理「HACCP計画」に関する調査
  2. 市販果実缶詰の溶出すず量実態調査
  3. E型ボツリヌス菌芽胞の耐熱性試験
  4. コードレス温度計による熱伝達測定
  5. 表面かき取り式熱交換器ラインにおける空気混入
  6. プラスチック成形容器破袋試験
  7. 情報検索
  8. データベースの実用化

依頼試験
新規受付19件、前月より繰り越し16件、合計35件、うち完了28件、10月以降へ継続17件
主要項目:異味・異臭・変色原因究明、異物検定、成分分析、重金属分析、腐食原因究明、容器性状試験、貯蔵品質試験、微生物的変敗原因究明、菌株分与、芽胞数測定、缶詰試製、FDA英文証明書・殺菌条件申告書作成、密封性状試験、通関統計データの処理
その他

  1. 「缶詰飲料レトルト食品製造講義(仮)」刊行企画
  2. 第44回技術大会準備作業 3.技術委員会事務局業務
  3. 会議出席・講演(日本缶詰協会技術賞選考委員会、東京都食品衛生調査会、日本食品科学工学会委員会、全国味噌工業組合連研修会、東京農林水産消費技術センター研修会)
  4. 缶詰時報原稿作成および論文審査
  5. 第16回レトルト食品品評会準備作業
  6. 殺菌主任技術者認定試験関連業務
  7. 品質管理主任技術者講習会講義担当
  8. シール強度検討ワーキンググループ関係業務
  9. 巻締主任技術者認定試験関連業務
  10. 研究会業務(チルド食品、無菌包装機械、加工包装機械)
  11. FDA管理サービス
  12. 展示会調査(食品開発展、分析機器展、真空専門展、データベース95)
  13. テレビ番組取材協力
  14. 会員への技術サービス

登録日:1995/12/07 (H.M)
(c)1995, JCARL INFORMATION SERVICE