そこで、平成11年10月1日以降は、Paを使うことが義務づけられます。もう、1年ありません。最近の圧力計は、その辺のことを見越してPaとkg/cm2を併記したものが多いのですが、古いものですとkg/cm2しか書いてないものもあります。Pa用に目盛りを書き換えて校正をすれば使えるかもしれませんが、古い圧力計では精度も悪くなっていることも考えられます。これを機会に交換した方がいいかもしれません。
また、kg/cm2からPaへの切り替えでは、人間の感覚面からなじむのに時間がかかると思います。気圧の単位がミリバール(mbar)からhPaに替わったときは、数値自体は同じ(例えば1010mbar=1010hPa)なので、何も換算する必要がありませんでした。しかし、kg/cm2からPaにするときは、次のような換算が必要になります。
1kg/cm2=0.098MPa(0.98×105Pa)
この換算は、105には適当な接頭語がないのでM(106)を使うことと、重力加速度9.8m/s2が絡むためのものです。例えば2.0kg/cm2は0.196MPaと表現することになります。慣れるまで大変かもしれません。しかし、本来は合理化のために行ったはずの単位の変更のために、圧力設定ミスなどのトラブルが発生しないことが望まれます。
(第3研究室室長 戸塚 英夫)
試験・研究・調査
その他