(缶詰時報'99年2月号掲載)

和歌山のヒ素事件以来、連日のように薬物による事件がニュースで報道されているように思います。ヒ素、青酸カリ、アジ化ナトリウム、精神安定剤など、様々な薬品名が連呼され、一般の人々に記憶されています。つい最近ではクロロホルムを用いて暴行を加えようとして逮捕されたという事件がありました。犯人はテレビドラマでも見て犯行を思いついたのかもしれませんが、何を考えて犯行に及んだのか呆れてしまうばかりです。

筆者らは何気なくこのような試薬を使用していますが、このような報道がある度に危険なものを扱っているんだなと再認識してしまいます。何かあってからは遅いのですから日頃から十分に注意しなければなりません。このようなことはの実験操作も同様で、慎重に行わなければならないところでの失敗ではなく、何でもないところで失敗することが多々あります。こんなの簡単と思って、気が緩んだところで・・ガッシャーン。後悔と割れたガラスだけが残ります。

これからはHACCP制度などが導入され、製造工程をしっかりと管理しなければなりません。”ちょっとぐらい”で済ましてしまうとあとでとんでもないことになってしまいます。そんなことのないようにしっかりと記録を取り、管理を行い、事故が無くなるように努力をすれば、製造工場だけでなくに自分のためにもなるのだと思います。

それにしてもクロロホルム50mlで○万円か・・。犯人はずいぶんと高い買い物をしたんだな・・。薬品の管理はしっかりしなければと肝に銘じました。

( 第一研究室 武田 淳)


<'98年12月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 旗影会助成「卵黄リゾレシチンの抗菌効果」
  2. フィルターによる細菌芽胞の除去試験
  3. スプレー式レトルトの圧力が温度分布及び熱伝達に及ぼす影響
  4. 缶・びん詰製造技術に関する文献調査
  5. インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付19件、前月より繰越23件、合計32件。うち完了22件、来月へ継続20件。
主要項目:各種缶詰の貯蔵試験、腐食原因究明、異臭原因究明、変色原因究明、ヒスタミン測定、ボツリヌス菌接種試験、変敗原因究明菌株同定、芽胞数の測定、熱伝達測定、レトルト温度分布測定、通関統計データ処理

その他

  1. 会員への技術サービス
  2. 外部講演会講師担当
  3. HACCP主任技術者講習会
  4. FDAプロセスファイリング関連業務
  5. 各研究会事務局業務

登録:1999/2/16
(c)1999, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association