(缶詰時報'99年11月号掲載)

皆さんはカプセルホテルに泊まったことがあるでしょうか?ちなみにカプセルホテルとは、文字通りカプセルのような構造のビジネスホテルです。ビルの中の大きな部屋に20個くらいの直方体のカプセルがおいてあり、その中にふとんが敷いてあります。カプセルの大きさは広さが1畳くらい、高さが50cmくらいとせまいのですが、寝るには十分といった感じです。小型テレビ、ラジオ、照明がありますので、そんなには退屈しません。

私は出張で泊まったことはないのですが、終電車に乗って寝過ごしたときに使いました。せまいところはあまり好きでないのですが、不思議とよく眠れました。利点は、駅に近いところが多いというのと、なんといっても安いということです。欠点は、戸締まりがカーテンだけなので不用心なことと、周りの声がみんな聞こえて、うるさいことなどです。

こんなふうにカプセルホテルのことを考えたのは、台湾の地震で建物の下敷きになった兄弟が、130時間後に助けられたというニュースを聞いたときです。押しつぶされないための隙間とわずかの食べ物と水があったおかげでした。地震国日本ですから、このような災難がいつ襲いかかってくるかわかりません。そんな観点からすれば常時自宅でもカプセル状の寝室(耐震構造でつぶれない構造になっている)で寝るのが安全じゃないかと思ってしまいます。非常食として缶詰、水、酸素、携帯電話などもあると安心です。

しかし、よく考えてみたら、このアイデアには大きな問題点があって、火事が生じた場合は無駄ということです。火事が起きると周りが熱くなって、中が暑くなります。有毒ガスも発生するかもしれないことを考えると、核シェルターなみの装備が必要になるかもしれません。それでは値段が高くなってしまします。半分本気で考えましたが、新しい技術の開発はたいへんです。

食品工学研究室室長

戸塚英夫


<'99年9月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 密封容器詰食品の誘導加熱等による加熱殺菌技術の開発
  2. 農産缶詰の品質改良に対する有機酸などの効果
  3. 農産物の加工による香気成分の変化
  4. 耐熱性カビに関する研究
  5. ボツリヌス菌(秋田株)の耐熱性および発育温度域測定
  6. インターネットによる情報管理
依頼試験
新規受付10件、前月より繰り越し22件、合計32件。うち完了11件、継続21件
主要項目:貯蔵試験、香気成分分析、変質原因究明、接種試験、芽胞数測定、熱伝達測定、英文証明書作成、容器性状試験、通関統計データの処理

その他

  1. 各種講習会関連業務
  2. チルド食品研究会業務(会議開催、講演)
  3. 食品加工プロセス研究会関連業務(情報誌作成)
  4. FDA書類管理サービス
  5. 会員への技術サービス(資料提供、電話回答、面談)

登録:1999/12/1
(c)1999, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association