冬至に食べる「冬の七種(ななくさ)」(12月)
この時期、朝起きた時は外がまだ薄暗く、夕方も16時をすぎるとあっという間に暗くなり、日が短くなったと感じます。
早く冬至を過ぎて、また日一日と日が長くなっていくのを心待ちにしている今日この頃です。
暦上では2018年の冬至は12月22日。冬至とは24節気の一つで、1年で夜が最も長く昼が短い日です。
冬至は太陽の力が一番弱まった日とされ、この日を境に再び力が甦ってくる、冬至を境に運も上昇すると言われています。
冬至にはかぼちゃを食べてゆず湯に入る習慣がありますが、ゆず湯は小さい頃から当たり前のようにやっていました。
ゆずがなくてみかんを入れたこともありましたが、なぜゆずを入れるのでしょう?
それは、寿命が長く病気にも強いゆずの木にならって、ゆず風呂に入って無病息災を祈る風習になったそうです(諸説あります)。実際にゆず湯に入ると、香りが良いのでアロマテラピー効果もありリラックスできますし、
体もポカポカ温まるので、風邪の予防も期待できます。これらはゆずに含まれる成分から科学的にも説明できるようです。
では、なぜ冬至にかぼちゃを食べるのでしょうか。
かぼちゃは夏の野菜ですが、保存に強く、傷さえつかなければ長期保存が可能であり、冬に不足しがちな栄養を補う事ができるので、昔の人の知恵で冬至に食べる様になったと言われています。
かぼちゃには体内でビタミンAに変化するβ-カロテンが多く含まれていて、動脈硬化の予防や老化予防になります(前回のコラム「アンチエイジング」もご覧ください)。
ほかにもビタミンC、ビタミンE、鉄分、カリウム、カルシウム、食物繊維などが含まれていて、
これらの栄養素や機能性成分によって風邪の予防をはじめ、冷え性や貧血の予防、体力の回復が望めます。
がんのリスク低下まで期待できるという研究もあるようです(もちろん毎日のバランスの良い食事が大切です)。
ということで、かぼちゃにもやはり理由がありました。昔からの習慣には相応の意味があるのですね。
他にも「食べると幸運が得られる」「縁起が良い」とされている食べ物があります。
「冬至の七種」(とうじのななくさ)と呼ばれるもので、「ん」が2つ付いていて、たくさんの運が呼び込めると言われています。お正月の後にお粥としていただく「春の七草」は有名ですが、実は冬至にも「冬の七種(ななくさ)」があったのです。
【冬の七種(ななくさ)】
「南京 なんきん(かぼちゃ)」
「蓮根 れんこん」
「人参 にんじん」
「銀杏 ぎんなん」
「金柑 きんかん」
「寒天 かんてん」
「饂飩 うんどん(うどん)」
今年12月22日の冬至には、栄養のあるかぼちゃや冬の七種を食べて風邪を防ぎ、身体を温めるゆず湯に入り、
無病息災を願いながら寒い冬を乗りきりましょう。
▼▼レシピはこちら
『かぼちゃとれんこんのミートソースグラタン』
材料(2人分)
かぼちゃ……1/8個
れんこん……100g
レトルトミートソース……1人分
シュレッドチーズ……適量
オリーブ油……大さじ1
お好みでドライパセリ……適量
(作り方)
①かぼちゃは種とわたをとり、横に半分に切って厚さ5mmのくし形に切る。
れんこんは皮をむいて5mmの厚さの半月切りにする。
②フライパンにオリーブ油を熱し、①を並べ両面に焼き色をつける。
蓋をして弱火でやわらかくなるまで6~7分蒸し焼きにする。
③耐熱容器を2つ用意し、②を等分に入れ、上からミートソースをかけ、シュレッドチーズをのせる。
オーブントースターで焼き色が付くまで5~6分ほど焼き、お好みでドライパセリを散らす。