食育を大切に(3月)
2018年4月にスタートしました「今泉マユ子の缶詰・びん詰・レトルト食品コラム&レシピ」、毎回「食育」を大切にしてお伝えしてきましたが、いよいよラストとなりました。
私は2014年に管理栄養士の会社を起業するまで、長年保育園の管理栄養士をしていました。
園児たちと一緒に大切に育んできたのが「食育」。今でこそ「食育」は当たり前のように言われるようになりましたが、平成17年に「食育基本法」が制定され、「食育」は生きる上の基本であり、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられました。食育は生きる上での基本です。食べ物が、私たちの体を作ります。生きることは食べる事、食べることは生きる事。
食育で大切にしたいことは
・食べ物を大事にする感謝の心
・好き嫌いしないで栄養バランスよく食べること
・食事のマナーなどの社会性
・食事の重要性や心身の健康
・安全や品質など食品を選択する能力
・地域の産物や歴史など食文化の理解など
毎日の食事の積み重ねで、食習慣は身についていきます。
みんなと一緒に食べることでマナーや文化を身につけ、ともに味わうという日々の繰り返しの中で、心が育まれます。子どもの頃に身に付いた食習慣を大人になってから改めることは、なかなか難しいものです。子どもは親のマネをします。自分の食習慣、マナーは大丈夫か、振り返ってみることも大切ですね。
毎日の食事を大切にしましょう。
お料理は買い物から調理、後片付け、全てが食育に繋がります。
例えばツナ缶を食べる時、子供に「ツナは何だろう?」と聞いてみてください。自分も知っていないと答えられないので、自分の食育にもなりますね。そしてお料理のどこに入っているか当ててもらいましょう。ツナを探していて「この野菜は何?」など次々に興味を持つかもしれません。お手伝いもどんどんしてもらいましょう。また、食べ終わった缶はゴミではなく、リサイクルに出すので、環境にも優しいと伝えることも出来ます。食べ残しをしないことや環境に配慮することも大切です。
食べ物をいただくとき、命をいただく動植物、収穫してくれた人、食料を生産してくれた人、配達してくれた人、お店の人、調理してくれた人に、感謝の気持ちを忘れずにしましょう。「いただきます」「ごちそうさまでした」感謝の言葉を大切にしたいですね。
それではここで、最終回にふさわしく缶詰料理のコツを総括してみます。
ぜひ参考にしてみてください。
みなさんは、使いたいと思った食材やレシピにある食材がなかった場合どうしますか?「これがないと作れない」と思い込んでいませんか?
そういうときはそのレシピに固執せず、発想をかえて、他の食材で作ってみてください。この「あるものを活用する」発想ができるようになると、いつでもどんな時でも臨機応変に対応できるようになり、また違う美味しさの発見にもつながります。例えば肉じゃがの肉を鯖缶に、カレーの肉を鯖缶に変えたり、その鯖缶がない時は、いわし缶やさんま缶でもツナでも、コンビーフでも美味しく作ることができます。
長野県の北部地方で愛されている「さばとたけのこの味噌汁」があります。具沢山の味噌汁の中に鯖缶を入れると栄養価も増し味に深みが出て美味しいです。鯖缶の代わりにいわし缶やさんま缶で作ってみると、それぞれのコクでまた違った味わいになり、とても美味しいです。味噌汁に鮭缶をいれると石狩鍋風になり、バターを入れたくなる美味しさに。私は家にたくさんの種類の缶詰をストックしているので、缶詰の種類を色々変えて楽しんでいます。缶詰の種類によって最後のちょいたしを、おろししょうが、おろしにんにく、粉山椒、七味、白ごまなど変えてみるのもおススメです。
このように、同じ食材でも缶詰を変えるだけで違うお料理ができて、レパートリーも次々と広がります。いかがでしたでしょうか。
これまでのこのコラムもぜひご参考にしていただきながら、日常の食事に缶詰、びん詰、レトルト食品を積極的に活用いただけたら嬉しいです。
さて、春は進学・就職・転勤・引越しなどで、新生活が始まる時期です。この4月から新生活をスタートする方もいらっしゃるでしょう。食育が大切なのは子供だけではありません。毎日の食事を大切にして、体調を整えて4月を迎えてください。
1年間、どうもありがとうございました。
▼▼レシピはこちら
『サバコーン豆乳スープ』
材料(1~2人分)
さば水煮缶……1缶
キャベツ……1~2枚(100g)
コーンドライパックレトルトパウチ……1袋
だし汁……2カップ
豆乳……1カップ
(作り方)
①キャベツの芯は斜め薄切り、葉は食べやすい大きさに切る。
②鍋にだし汁、キャベツを入れて火をつける。沸騰したら弱めの中火で約3~4分加熱し、キャベツが柔らかくなったら缶汁ごとさばを入れて崩しながら混ぜ、コーンと豆乳を加え、沸騰させないように2~3分温める。