おいしく、しっかり災害に備える!身近な防災食⑥(3月)
みなさんこんにちは、今泉マユ子です。
全6回でお伝えしてきた連載も今回で最終回。最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
最終回となる今回は、避難生活に必要な「心の栄養」にスポットを当ててお話します。
私は日頃、災害に対する備えの大切さをお話ししておりますが、災害時に体の健康を崩さないことも大切ですが、心の健康を崩さないこともとても大切です。
今回はそのことについて、お話しします。
◆体の栄養と心の栄養
災害食は「生きるためだけの食事」「我慢して食べる食事」ではありません。体に必要な栄養の確保は一番大切ですが、それと同時に心の栄養を摂る事も大切です。自分の好きな物、美味しいと思うものを食べることが大切です。
エネルギー(カロリー)補給はもちろん大事なことですが、電気、ガス、水道が止まっても、備蓄や調理の仕方を工夫して、普段から食べ慣れたもの、好きなものを食べることが一番のポイントだと思います。
被災して大きなストレスを受けた時、おいしいものがあれば気持ちがホッと和らぎます。心が豊かになって、ニッコリ笑顔になれます。非常食だけでは摂取できない「心の栄養」を取るためにも、なるべく好きなもの、食べ慣れたものを備えることをおススメします。
★★“おいしい”と感じる心の栄養をとることが安心と笑顔につながります。
数年前、娘が受験生の時、高校の授業が終わるとそのまま塾に行き、毎晩夜遅く帰ってきていました。ある時疲れた顔をして「ママ、美味しいものが食べたい」と言われました。「何が食べたい?」と聞くと「ママのごはんが食べたい」と言われ、驚いたことがあります。いつも手抜き料理しか作っていないのに、娘にとって疲れた時に食べたくなるのは普段の食事、私が作った食事なのですね。
これは災害が起きた後も同じことが言えると思います。災害が起きたからといって特別な物を食べるのではなく、普段食べている食事ができれば、どれほど心が落ち着くでしょう。災害時でもいつもの食事をすることがとても大切です。
私はどんな状況になったとしても、子どもたちには私のお味噌汁を作ってあげられるように、自分で備えています。いつもと同じお味噌汁を食べた瞬間、ほっとして、笑顔になれるかもしれません。災害時でもいつもの食事ができるようにするには、自分で備えて置くことが大切です。
以前は3日分の備蓄が必要と言われていましたが、今では1週間分以上の水と食料品の備蓄をするようにと、政府より推奨されています。大規模災害が発生すると、道路寸断、物流混乱、公的な支援物資がすぐに到着しないリスクがあります。
被害が拡大すればライフラインが停止したり、避難所が不足したりする可能性も。自宅で避難生活が送れる状態でも家に食料が何もなければ、食事だけ避難所にもらいに行くことになります。
想像してみて下さい。
お留守番できない子どもと一緒に長時間並べますか?寒い中暑い中長時間並べますか?その並ぶ数時間を家の片付けや他のことに費やしたくないですか?色々な事態を想定し、家庭で食料品を備蓄しておくことが大切です。1週間分以上の食料品を備えましょう。