56. あき缶の再利用について教えてください
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缶詰の中身を使ったあとのあき缶は一つの資源となるので、その有効利用の方法について色々研究されてきましたが、スチール缶について一応実用化されているものは、(1)くず鉄として使用し、鉄鋼製品に再生する。(2)銅鉱より銅を回収するために利用する。(3)窒素を利用した低温破砕法により再利用する。という三つの方法があります。
現在、缶詰用及びその他の缶の消費量は、年間スチール缶が約66万トン、アルミ缶が約30万トンですが、鉄鋼製品として再利用されているスチール缶は60万トン、アルミ缶が29万トン程度で、スチール缶は90.8%、アルミ缶は94.7%を回収し、再生されています。再生資源としての利用ルートが確立されているのでこのような高いリサイクル率となっています。
あき缶は、観光地などの屋外に捨てられるものと、家庭からゴミとして出されるものの二つがあります。あき缶を再利用するためには、できるだけ費用をかけないで能率的に回収することが必要です。すなわち屋外で捨てられるあき缶は、必ず一定の場所のくずかごに入れるようにし、家庭のゴミは、新聞、雑誌、ボロ切れ、あき缶、ビンなどにできるだけこまかく、さらにスチール缶とアルミ缶に分別して出すようにすれば、回収業者の手間や費用が少なくてすみ、資源化ルートに乗りやすくなります。
なお、現在、あき缶の回収利用や環境美化のために活動している団体には、スチール缶リサイクル協会、アルミ缶リサイクル協会、食品容器環境美化協会及び日本容器包装リサイクル協会等があり、日本缶詰びん詰レトルト食品協会内には環境問題検討委員会が設置されています。