新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
3年にわたり猛威を振るい続けた新型コロナウイルスも昨年5月に「5類感染症」に移行したことで、日本もようやく経済活動再開に大きく舵を切りました。一方足許をみると、インフレのスピードに賃金の伸びが追いついておらず、生活者の立場からみると本格的な景気回復とは言いがたい状況が続いています。
食品業界でも急激な円安やサプライチェーンの混乱などによって上昇したコストを価格改定や食品企業各社の様々な工夫により乗り越えてきた一年でありました。しかしながらエネルギー価格の先行きも地政学の問題から不確実性が高まり、為替の状況も我が国と欧米の金融政策の違いの影響を色濃く受けることが想定される等、本年もコスト上昇の行方は予断を許しません。さらに本年はトラックドライバー不足による輸送能力の低下が現実問題として差し迫っており、物流の効率化や商慣行の見直しなど業界全体で協調して解決すべき課題となっています。
本年も食品業界を取り巻く厳しい環境は続くものと予想されますが、缶詰、びん詰、レトルト食品業界では安全性が高く長期間の保存が可能であるという特徴を最大限に生かしつつ、健康機能の強化やさらなるおいしさの追求など顧客目線に立った製品作りや、地球環境に配慮した企業活動などを積極的に展開する等、生活者のニーズを的確に捉えることによりさらなる成長を目指して参ります。明治10年に初めて商業生産を開始して以来150年近く食卓においしい製品を届けてきた缶詰、びん詰、レトルト食品業界ならば、長年にわたり培われた伝統と知見を生かし克服できるものと信じております。
当協会は公益社団法人として「普及啓発事業」、「調査・情報伝達事業」、「人材育成・相談事業」、「研究開発事業」の4つの公益目的事業を中心に、会員企業の相互扶助を目的とした共益事業、検査器具や書籍等の斡旋を行う収益事業等に取り組んでおります。本年は、昨年の総会でお約束しました事業内容の見直しについても積極的に取り組み、会員企業各社様の事業推進のお役に立てるよう精一杯支援させて頂くとともに、その活動を通じて社会に貢献すべく尽力して参ります。
最後に、本年も会員企業各社ならびに関係各位の皆さま方の一層のご支援とご協力をお願いするとともに、本年が皆さま方にとってより良い年になることを心より祈念致しまして、私の新年の挨拶とさせて頂きます。
令和6年 元旦
公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会
(うらかみ ひろし)