缶詰誕生200年の歩み

次に、現代の缶詰の製造方法の特徴を見ることにします。
缶詰の製造方法で特徴的なことは、まず、内容物を缶に詰めた後(脱気して)二重巻締という方法で密封していることです。これは缶の胴とフタを巻き込むことにより缶詰を密封する方法ですが、中身がもれないことはもちろん、外から微生物の汚染を受けることもありません。
そして、密封した後、今度は熱を加えて密封した缶の中にいるかもしれない、食品を腐敗させる微生物を殺菌します。これが加熱殺菌です。この「密封」→「加熱殺菌」という一連の工程が、缶詰に「常温で流通保存できる」という最大の特徴を与えているのです。200年前にアペールの取った方法が、体系化された現在の缶詰製造の理論と結果的に全く同じであったことが判ると思います。

 

現在では、アペールの発明した方法から発展した製造技術により、一層安全・安心な製品が製造されるに至っております。
また、機器も同時に発達しており、アペールの時代のオートクレーブは現在ではこのようなレトルト殺菌装置へと進化しています。

 

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